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観光白書2013を読む(5): 東南アジアから200万人、MICE強化も

平成25年版の観光白書(「平成24年度観光の状況」及び「平成25年度観光施策」)では、これまでの国際観光政策を振り返り、現在の課題と今後の展開として6つのポイントが示された。

このうち、「成長市場の開拓と戦略的なプロモーションの展開」では、従来の訪日外国人旅行者数が東アジア4ヶ国・地域(韓国、中国、台湾、香港)で約65%を占めていることを指摘。送客元を多様化し、外的要因に影響されない安定的な訪日外客構造の構築が必要とした。そこで、東南アジアからの誘客を本格化し、今年は「東南アジア・訪日100万人プラン」を展開。ムスリムの受け入れ環境整備やオープンスカイ政策、LCCなどとの連携を図り、2016年には200万人を目指す。

また、「MICE分野の国際競争力の強化」では、2000年前後から中国、韓国、シンガポールが開催件数を伸ばしているのに対して、日本は低下。MICE分野の国際競争力の強化は喫緊の課題とし、今後はグローバルレベルの誘致競争に打ち勝てるコンベンション都市の育成に取り組む。また、マーケットリサーチの強化や戦略的ツールとしてのMICEの活用、都市が自らの差別化を図り、それによる都市マーケティング戦略の高度化を促進していく。

このほか、「訪日ブランドの構築・強化」や「国際的な視点の強化」などがあげられ、「オールジャパン体制の更なる強化」では官民の連携を強め、ビザの緩和や出入国手続きの円滑化、インフラプロジェクトとの連携を関係省庁と推進。「訪日外国人旅行者の受け入れ環境の整備・充実」では、公共交通機関や観光施設などでの多言語表記の推進や無線LAN環境の整備など、海外旅行者の満足度向上にも取り組むことも示された。