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2014年に起こる動きをまとめてチェック、旅行市場で知っておきたい年間予定 

JTBが発表した2014年の旅行市場予測は、国内旅行が前年比0.2%増の2億9150万人、海外旅行が2.1%増の1780万人、訪日旅行が14.3%増の1180万人。いずも2013年実績を超える予想だ。2014年は旅行業界にとってどんな年になるのか。JTBが2013年12月20日に発表した旅行市場を取り巻く環境と年間予定、海外、国内、訪日の各分野の予想背景をまとめた。

▼消費増税、羽田増枠など話題が豊富な年

【経済動向】

アベノミクスによる株高・円安傾向の上向き基調が続き、2014年はその実感を伴う年になるとの見通しだ。4月からの消費増税で一旦は消費が停滞する可能性が高いが、増税前には駆け込み需要が発生。後半は企業業績の回復に伴い、盛り返しが期待できるとする。子育て世代は節約・貯蓄意向が強まる可能性があるが、シニアの旅行意欲は底堅いと見る。


【連休の日並び】

ゴールデンウイークと正月を除く週末の3連休は7回で、2013年より1回減少。ゴールデンウイークは前半3連休と後半4連休に分かれ、2013年と似た日並びに。お盆は8月15日が金曜日で週末に繋がる日並びとなる。


【航空路線の拡充】

航空路線環境は2014年の旅行市場を語る上で欠かせないトピックだ。羽田空港では2014年3月に国際線長距離路線の昼間発着枠がスタート。国際線発着枠が年間6万回から9万回となり、首都圏空港の供給量が増加する。

国内就航のLCCも増加。ピーチ・アビエーション(MM)、ジェットスター・ジャパン(GK)、バニラ・エア(JW)に加え、春秋航空(9C)出資の春秋航空日本も5月末に成田拠点で就航予定。さらにエアアジアが再上陸を狙っているとし、国内のLCCは5社が揃う見込みだとする。


【モバイルやSNS普及の影響】

スマートフォンやタブレットの普及も、旅行市場に変化をもたらす。旅行前だけでなく、旅行中に積極的に旅行情報を収集できるようになるほか、Googleグラス(2014年中の予定)などのウェアラブルコンピューターなどの新技術によって、この傾向はさらに加速化すると見る。新技術を用いた旅行者への情報発信や興味喚起が重要になるとし、利便性次第では商品予約にも変化が起こると指摘する。


【旅行市場の周年記念】

▼国内旅行はリーマンショック後で最高に

国内旅行市場は、人数、消費額ともに2008年のリーマンショック後では最も高い数値となる見込み。LCCや素泊まりなど選択肢が広がり、LCCで安く行き、豪華なホテルに宿泊。またはビジネスホテルに宿泊し、高級料亭に行くといったメリハリ旅行が広まる。

また、地域主体の着地型旅行商品も増加。地域の工場群やダム、道路など土木工事現場の見学ツアーなど、新たな切り口で観光資源を創り出し、地域独自の魅力として集客をはかる動きが広がっていくとみている。

このほか、この数年の天文分野への関心の高まりを受け、鉄子、山ガールならぬ、「宙(そら)ガール」の誕生も予想。2014年は1月にしぶんぎ座流星群、4月に火星接近、10月に皆既月食、12月にふたご座流星群が予定されている。

【国内の予定】

▼海外旅行人数は2000年レベル

2013年からの回復を見込むが、訪日旅行の更なる増加が見込まれることから、座席供給量のバランスを考慮し、海外旅行の増加幅は小さくなると予想。消費額は中長距離の旅行方面の人気が続き、上昇する見通し。

羽田の国際線発着枠の増加の一方で、成田発のLCCの国際路線も増加し、選択肢が増加。海外旅行の裾野拡大に寄与すると見る。また、旅行スタイルとしてはハワイや東南アジアのリゾートが人気で、暮らすように過ごす滞在型の旅行志向も増えているという。


【海外旅行に関わる予定】



▼訪日旅行は過去最高更新を見込む

訪日外国人数 1180万人(14.3%増)
2014年は円安傾向の持続が見込まれる上、富士山や和食の世界遺産登録で日本への関心が高まっており、引き続きの増加を見込む。国際関係の悪化で減少していた中国も、2013年終盤に回復の兆しが見え始め、2014年もこの傾向が続くと予想。韓国は2013年に東日本大震災前に回復しており、2014年も前年並みになると予想。その他のアジアの国々も2013年ほどではないが引き続き増加するとし、年間の訪日旅行は過去最高数を更新すると予想する。

【訪日旅行に関わる予定】