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イタリア・ミラノ市、持続可能な観光への取り組み強化、市内の教会に点字パネルや自転車シェアリングなどで

ミラノ市観光局長ロベルタ・グアイネーリ氏

イタリア・ミラノ市は、市内観光の持続的な発展に取り組んでいる。今後は、体の不自由な旅行者も快適に旅行ができる観光施設を拡大する考えで、このほど観光行政のトップが来日し記者会見で明らかにした。近年さけばれる旅行産業における持続可能性(サステナビリティ)に対応するもの。ミラノ市では、「あらゆる入場者のアクセシビリティに対応する」と自信を見せた。

現在、ミラノ市内では、20の教会のうち15の教会でマルチメディア点字のついた触察パネルを設置。これによって、視力障害の旅行者も教会内部の平面図を盛り上がった透明インクで認識したり、パネル上のQRコードからスマホで音声・字幕付きの映像などを提供している。これを今後、市内の観光施設にも広げて展開していく考えだ。

また、市内交通システムではシェアリングシステムを構築。市民や旅行者が3500台の共有自転車と、800台の電動自転車を利用して、215㎞にわたる自転車走行可能ルートを走行することが出来るようになっている。市内を訪れる旅行者は、2015年が約740万人、宿泊数ベースでは、この7年間で60%増加したという。こうしたことから、発展する観光持続させるために環境への配慮の一環として取り組まれているもの。ミラノ市としては、こうした市内観光の持続的な発展に向けた取り組みを今後も強化する。

なお、2015年にミラノ市を訪れた日本人旅行者は13万5818人。