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JTB、スポーツ専門会社に大型出資、特別な観戦スタイルで新市場確立へ

ジェイティービー(JTB)は、英国のスポーツ・トラベル&ホスピタリティ・グループ(STHグループ)が日本で設立したスポーツホスピタリティ専門会社・STH JAPANの株式49%を引き受け、共同で日本国内でのスポーツホスピタリティ事業に取り組む。

スポーツホスピタリティとは、観戦券に上質な食事やエンターテイメントを組み合わせた高級志向のプロダクトのこと。欧米では特別な観戦スタイルとして確立しており、STHグループでは、2012年ロンドン五輪では公式ホスピタリティプログラムの開発と販売・運営で、1.05億ポンドを売り上げた。2015年のラグビーW杯ロンドン大会では全世界での独占販売権を得て、ホスピタリティチケット27万枚・計1.7億ポンドを販売した実績がある。

今回JTBはSTH JAPANを通じ、STHグループのノウハウ提供を得て、国内でのスポーツホスピタリティの定着を図り、新市場の開拓を行なう。まずは2019年のラグビーW杯日本大会で5万人の取り扱いを目指す。

これに伴い、JTBはSTHグループから、同大会の国内における観戦チケット付きツアーを独占企画・販売・実施ができる国内唯一の公式旅行代理店として指名を受けた。今後、アジアやアメリカなどの指定国・地域外も対象に、グループをあげて取り組んでいく

スポーツホスピタリティの構成(一般的なモデル):発表資料より

さらにJTBは、海外の同大会の公式旅行代理店に対して期間中の宿泊ホテルを提供するホテルバンク事業について、STH JAPANから1社独占での業務委託を受注。ホテルのほか、国内観光や飲食、各地での体験型コンテンツなどをワンストップで提供し、ツアー企画の支援を行なう。訪日観戦者の平均滞在日数は20日間といわれており、全国周遊を促進することで、地域活性化にも貢献できるとアピールする。

JTBではスポーツホスピタリティ事業を将来のスポーツビジネスの柱とする方針。国内・アジアでの大型スポーツイベントを対象に、今後も関連商品の開発と発信を行なっていく。

STH JAPANの会社概要や、両社がラグビーW杯日本大会で取り組む分野については以下の通り。

【STH JAPAN株式会社】

STH JAPAN 組織図:発表資料より

【JTBとSTH JAPANがラグビーW杯日本大会で取り組む分野】

JTBによると、ラグビーワールドカップ日本大会でSTH JAPANと共同で取り組むのは下図のうち主に5のカテゴリー(4は現在対象なし)。この限定されていた特別な権利をパッケージ商品化し、一般法人や個人に対象を拡大することが重要なポイントだという。
注:(*1):WR=ワールドラグビー(ラグビーの世界機構)
(*2)、(*3):現地点では未定

発表資料より