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アマデウス、出張の計画・承認から精算まで一元管理できる新サービス発表、モバイル対応でどこでも予約が可能に

アマデウス・ジャパンは2017年6月6日、日本の法人および旅行会社を対象にモバイル対応の新たな出張管理ソリューション「Amadeus cytric Travel & Expense」の提供を開始した。

※写真左から、アマデウス・アジア・パシフィック プレジデントのアルバート・ポゾ氏、アマデウス・ジャパンの竹村章美社長、アマデウス・アジア・パシフィックのコーポレートIT代表フレデリック・ソニエ氏

「Amadeus cytric Travel & Expense」は、出発前の計画・承認・予約から出張中の危機管理、さらには帰国後の精算までを単一プラットフォーム上で一元的に管理でき、なおかつモバイル対応により出張者本人がどこにいても出張計画や旅行予約を行えるのが特徴。これにより企業側の業務効率化と出張者の利便性向上の両立が可能となる。アマデウスによれば「(企業によっては)出張予算を約10%、また経費管理にかかわる人件費や時間などを70%程度削減することも可能」(アマデウス・アジア・パシフィックのコーポレートIT代表フレデリック・ソニエ氏)という。

また業務渡航の分野でニーズが高まる一方の危機管理機能については、「Amadeus Mobile Messengerと連携しGPS機能とPNR情報を組み合わせることで、出張者の所在を素早く正確に把握できるのが強み」(ソニエ氏)と説明する。

日本では導入第1号となった三菱ふそうトラック・バスへのサービス提供を開始済みで、今後は日本に拠点を置くグローバル企業を中心に法人への営業を行っていく方針だ。また「TMC(トラベル・マネジメント・カンパニー)との関係も重視しており、TMCがAmadeus cytric Travel & Expenseを顧客企業に再販することも歓迎する」(ソニエ氏)としている。なお日系企業としてはHISシンガポール支店が今年2月に導入している。

「Amadeus cytric Travel & Expense」のグローバル・バージョンは、欧米では昨年からすでに提供開始しており、アジア太平洋地域ではオーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポール、韓国、インド、日本の7市場で各市場に合わせたローカライズ版によるサービス提供を始めている。新ソリューションの発表記者会見に出席したアマデウス・アジア・パシフィックのプレジデント、アルバート・ポゾ氏は、アジア太平洋地域について「世界の経済圏のトップ4のうち3つが存在し、高い成長性もある」とその可能性を指摘したうえで「なかでも日本は重要な市場だ」とし、新ソリューションの投入の背景を説明した。

またアマデウス・ジャパンの竹村章美社長は、日本の15年の法人出張支出は7兆2000億円以上で世界第4位の規模がありながら「調査データによれば出張者の満足度はわずか48%で他国よりも低い」とし、「業務渡航向けの新たなソリューションが利用される余地が大きい」と述べ新ソリューションの展開に自信を示した。

日本の業務渡航市場を巡っては、クラウド経費管理サービスのコンカーがJTBビジネストラベルソリューションズと業務提携しBTM(ビジネストラベルマネジメント)サービスを強化するなど競争が活発化している。アマデウスの新ソリューションは、市場に新たな一石を投じることになりそうだ。