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世界最大手ホテル「マリオット」と中国「アリババ」が新会社、中国人の海外・国内旅行で中間層の獲得狙う

世界最大手ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルと中国のアリババ・グループは、中国市場の取り込み強化を狙い、合弁企業を設立する。中国人の嗜好とデジタル流通に精通したアリババが、マリオットの対中国マーケティング戦略におけるゲートウェイ役を担うもの。これによりマリオットは、中国からの海外旅行および中国国内旅行の宿泊需要、特に今後のマーケット拡大が見込まれる中間所得層の獲得増を図りたい考え。

新合弁会社は、アリババが手掛けるオンライン旅行プラットフォーム「フリジイ(Fliggy)」(旧称アリ・トラベル)に出店しているマリオットの管理業務を担当する。アリババ全体での月間アクティブ・ユーザー数(モバイル経由)は5億人という。

また同社は、アリババの顧客を対象としたダイレクト・マーケティングや、アリババとマリオットそれぞれの顧客ロイヤルティ・プログラムのリンクを展開。マリオットが世界各地で運営するホテルのコンテンツやプロモーション情報を、中国市場向けにカスタマイズするなどのサポートも行う。

マリオット側は、アリババのモバイル決済「アリ・ペイ」での支払いを受け付けるホテルを増やす計画。合弁事業の形をとることは、中国市場の取り込み強化にかかる流通コストの圧縮にもつながるとしている。

アリババ・グループのダニエル・チャン最高経営責任者(CEO)は「巨大な顧客基盤や最新の技術、そして中国人消費者についての識見を持つ当社と、ホスピタリティ業界の雄、マリオットが手を組むことで、さらにハイレベルな旅行サービスを中国市場向けに提供できる」とコメント。

マリオット・インターナショナルのアルネ・ソーレンセンCEOは「ホスピタリティ産業に精通した当社と、旅行のデジタル流通および決済に精通したアリババの提携は、マリオットのロイヤルティ・プログラム会員の増加にもつながる」と期待している。