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国交省、電柱のない町づくりを推進、観光・防災・美観で具体策とりまとめ

国土交通省は先ごろ、「無電柱化推進のあり方検討会」での計7回の審議を踏まえ、今後の無電柱化推進に向けた基本的な方向性と具体的な施策を取りまとめた。現在、日本の電柱の数は約3500万本で、削減を推進しているにもかかわらず、毎年約7万本のペースで増加。欧米諸国はもちろん、アジア諸国からも後れをとっているという。

今回発表したとりまとめでは、無電柱化の必要性の観点として、(1)防災、(2)安全・円滑な交通確保、と並び、(3)景観形成及び観光振興、もとりあげられた。景観法に基づき景観行政団体が指定した景観計画地区内の景観等が阻害されているほか、地域の伝統的な祭りを行なう際に、電柱や電線を避けるためのルート変更が余儀なくされるケースもあり、観光振興で重要な伝統的祭りの支障になっているとしている。

こうした無電柱化推進の現状と課題認識を踏まえ、基本的な方向性の一つに「優先順位を意識した無電柱化の推進」の必要性を掲示。景観形成・観光振興では、世界遺産・日本遺産等の周辺や重要伝統建造物保存地区や景観法、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律、景観条例等に位置付けられた地域、エコパーク・ジオパーク、その他、著名な観光地などの道路から進めていく方針だ。

また、対象道路選定の考え方として、国を代表する景観形成の観点となる世界遺産周辺などでは、国や都道府県レベルで検討を行なう必要があるとした。

そのほか、「無電柱化推進のあり方検討委員会中間とりまとめ」については、国交省のホームページに掲載されている。