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カナダ観光局、インスタ映えする「体験」をアピールへ、日本発ツアーの開発も【動画】

カナダ観光局は、日本市場向けに新たな観光マーケティングのプランを明らかにした。2018年は、日本人がSNSでシェアをしたくなる「インスタ映え」する体験を紹介。WOW!(ワオ!)と感じる10の体験を画像や動画でアピールし、これら体験を含む旅行商品の開発を進める考えだ。

日本市場向け観光商談会「Focus Canada Japan 2017」にあわせて来日した国際担当副社長のエマニュエル・ルゴー氏によると、2017年の日本人旅行者数は前年比5%増の30万人強を見込む。6年連続のプラス推移のなか、来年は新たな目標を設定した。旅行者数では3%増と控えめながら、滞在日数を将来的に11泊まで伸ばしたいという。インスタ映えする価値ある体験をアピールするのは、こうした背景によるものだ。

ターゲットは、個人旅行者をメインに25~34歳のいわゆるミレニアル世代と55歳以上のシニアの2つの層を設定。日本では旅行会社のツアーを利用する個人旅行者も多く、旅行会社にツアー造成の働きかけを行う。こうした活動で、日本の旅慣れた旅行者に体験型や「都市+自然」で、長く滞在する魅力をアピールする。

「フォーカス・カナダ・ジャパン」には、カナダからセラー51社82名が来日。日本からはバイヤーとして50社80名が参加。

カナダ観光局では、近年、コンテンツ・マーケティングに注力してきた。ルゴー氏が「グローバルではメディアエージェンシーのように、コンテンツをどれだけ量産していくかにフォーカスしている」と話すほど。そのコンテンツは市場の特性にあわせたものを各国で用意。日本でもテレビ、雑誌などメディアの露出を増やすことや、独自のコンテンツを制作してカナダの魅力をアピールしてきた。

こうした活動で、カナダの課題といわれてきた冬季の需要増も実現。昨冬は、冬季の日本人訪問者数が22%増と大きく伸びた。今季も「あったかい、冬カナダ」キャンペーンがスタートしており、制作したアニメーション動画の再生回数も順調に伸びているという。この動画は、日本市場向けに制作されたものだが他国でも評判が高く、ルゴー氏も「ユニークな取組みだった」と評価する。


なお、来年はエア・カナダが新たな日本/モントリオール線を就航。カナダ東部への日本人旅行者増加に期待が高まっている。ルゴー氏によると、その期待から来年からケベック州が日本でのマーケティング活動を再開。他州とタッグを組むチームカナダにも参加する予定だという。