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観光庁、民泊仲介サイトの違法物件削除で一歩踏み込む要請、架空の登録番号の物件掲載で

2018年6月15日に施行した住宅宿泊事業法(民泊新法)から1週間。施行を前に、民泊仲介業者は法令遵守もと、サイト上の違法民泊を排除すべく、届出番号や許認可の情報記載のない違法民泊の削除や非掲載などを行ない、民泊新法への対応に取り組んできた。しかしながら、現実では違法民泊がまだ掲載されているケースがあるようだ。架空の番号や重複の番号で登録する民泊事業者がある。

観光庁が民泊仲介業者に対し、違法・合法の根拠として求めているのは、民泊物件が記載する届出番号の有無の確認。各物件の管轄地域の自治体に対する届出番号の照合までは求めていない。

しかし観光庁では、現状を踏まえ、さらに一歩踏み込む形で「明らかにおかしいもの」に関して削除するように要請。異なる住所の物件でありながら同一番号であったり、「1234」「0000」などの数字の羅列などの物件をチェックし、違法物件を発見するよう、呼びかけを始めた。

民泊仲介各社も、自治体への登録がない違法民泊については排除していく方針。Airbnb(エアビーアンドビー)は6月21日、届出番号やその他の許認可が正確でない物件について、観光庁から削除要請があった場合は速やかに削除するとし、「違法な物件の撲滅に力を入れる」と強調した。Airbnbでは届出番号を受け取っていないホストに対し、電話でのフォローやガイダンスでのサポートを実施しているという。

一方、民泊を含む宿泊事業の健全な発展のためには、行政側も違法民泊の撲滅に向け、一段上げたチェック体制の構築に取り組む必要がある。例えば、民泊関連の事業者はもちろん、消費者も予約の前に対象物件が合法/違法かどうかをオンライン上で簡単にチェックできるような、共通の仕組み作りが急務だろう。

なお、観光庁では、6月末を目途に違法民泊の実態調査を取りまとめているところ。また、同法では最大180日の宿泊日数確認のため、毎年4月と10月に各届出物件の6か月分の宿泊実績を観光庁に報告する必要がある。