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トリップアドバイザーが3つの新機能で大幅サイト刷新、ソーシャル化で旅行計画を後押し、位置情報に紐づくコンテンツ表示やリスト化など

トリップアドバイザーが、日本語サイト(www.tripadvisor.jp)を含めた全世界で同時にサイトを刷新した。新たにソーシャル機能を導入し、さまざまな旅行のアイデアを集めたプラットフォームとして生まれ変わるもの。サイト刷新は、今年9月に発表されていたが、その具体的な内容が公開された。

新たなサイトでは、旅に必要な情報を集約し、ワンストップで情報の検索、保存、共有できるように。また、これまでのクチコミ情報だけでなく、新たに旅行関連メディアがパートナーとして各自の情報を配信。フォロー機能を加えることで、パートナーのメディア、インフルエンサー、友人などとコミュニティーを形成できるようにした。さらに、気になる情報や施設をリスト化できる機能を追加することで、旅行計画を手助けする。

同社の日本オフィス代表取締役の牧野友衛氏は、記者発表で新トリップアドバイザー開発の背景について「旅行を計画するうえで、最大の情報源はテレビ番組や雑誌で、クチコミやオンライン検索が続き、SNSも大きな情報源になっているが、各旅行情報は散在。決定的なサービスにはなっていない」と現在の課題を指摘。その解決策として、「新しいトリップアドバイザーでは、旅のインスピレーションから旅行の共有までをワンストップで提供するプラットフォームに刷新した」と説明した。

新トリップアドバイザーを説明する牧野氏

3つの新機能、ソーシャル化で旅の計画を後押し

今回新たに追加された機能は3つ。まず、「トラベルフィード」では、ログインすると、ホーム画面に自身がフォローした情報をもとにパーソナライズされた情報がフィードに表示。さらに、特定の地域や場所を検索すると、全世界の利用者コミュニティーから投稿されたコンテンツが自動的に表示される。投稿はすべて位置情報に紐づく。同社ローカリゼーションマネージャーの間庭直樹氏は「コンテンツと場所情報を組み合わせたのがトラベルフィードの最大の特長」と強調した。また、将来的には、#などを活用して、テーマ別のコンテンツ集約も検討していく考えも示した。

2つ目は、これまでのクチコミに加えて、既存の旅行関連メディアを情報源として集めたこと。ベータ版から参加しているのは、小学館の「和樂」、JTBパブリッシングの「るるぶ&more」、ダイアモンド・ビッグの「地球の歩き方」など45社。利用者は参加メディアをフォローし、情報を収集できる一方、メディア側はトリップアドバイザーのコミュニティーに参加できるというメリットがある。

トリップアドバイザーとしては、今後も参加メディアを増やしていくともに、インフルエンサーの参加も進めていく。また、ホテル、レストラン、観光施設については現在のところ、それぞれのプロファイルを変更できるだけの機能だが、将来的にはコンテンツ発信もできるようにしていきたい考えだ。

参加メディアは、β版の際にトリップアドバイザーから声をかけたという。

3つ目の機能はリスト化。トラベルフィードで見つけたアイデアや気になる施設をリストとして保存することで、旅行計画の参考として活用することが可能になる。また、リストをオンライン上で一般公開できるほか、限定公開として友人などと共有することもできるようにした。

新トリップアドバイザーは、各国サイトのドメインに基づいてリリース。日本語サイトでは、日本のメディアの参加のみで、多言語対応はないため、あくまでも日本人旅行者が対象となり、訪日外国人対応は行われていない。ただ、今後について、同社シニアマーケティングマネージャーの三橋竜二氏は「機械学習の進歩よって、言語ベースで関連性の高いものを表示できるようになるのではないか」との見解を示した。

パートナーメディア。(左二人目から)和樂編集長の高木氏、るるぶ&more編集長の竹地氏、地球の歩き方本部長の奥氏。