トラベルボイストラベルボイス | 観光産業ニュース 読者数 No.1

【年頭所感】日本旅行代表 堀坂明弘氏 ―「マーケット・イン」で事業モデルを進化、総合旅行会社ならではの取り組みを

日本旅行の代表取締役社長である堀坂明弘氏が2019年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

堀坂氏は、OTAやサプライヤーの直販化などが進む中、総合旅行会社が差別化できる点は「安心・安全への取り組み」や「上質な旅の提案」にあると強調。同社のテーマである「マーケット・イン」の精神をさらに磨き上げ、顧客満足度向上を実践。ビジネスモデルをさらに進化していきたいと語っている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2019年年頭所感 ―「マーケット・イン」でビジネスモデルをさらに進化―

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

近年、OTAやサプライヤーの直販化に対し、われわれ総合旅行会社がどうあるべきか、という議論が様々な場でなされています。環境変化が劇的な速さで進む中で、将来に向けて持続的な発展をするために、総合旅行会社には何が必要か、というのもテーマの一つです。

その一つの答えが「旅行者の安心・安全の担保」だと考えています。確かに利便性は飛躍的に向上しているものの、その陰で、旅行者の「安心・安全」に対する取り組みが置き去りになっているのではないかと感じています。

昨年、日本の各地で度重なる自然災害が発生しました。関西国際空港は閉鎖となり訪日外国人を含む多くの旅行者が孤立し、情報不足でどうしたらよいか不安になったとの報道がありました。そのような中、当社では空港事務所のスタッフが情報収集を行い、お客様一人一人に状況や見通しについて説明をするとともに善後策をお伝えしました。

旅行先で事件や災害が発生した際に、速やかに対応し、お客様の安全の確保、家族等への連絡など「安心・安全」に向けた取り組みが出来るのはまさに総合旅行会社であり、われわれの存在意義の一つであると考えます。

また、「お客様のニーズを的確に捉えた、企画性に富んだ上質な旅の提案」も、答えの一つであると考えています。企画商品はもちろん、今後拡大が見込まれるイン・アウトを含む交流事業、地方創生事業など、総合旅行会社が従来より培ってきた知見とスキルを十二分に発揮し、具現化していくことがわれわれに求められており、OTAとの差別化につながるものであると感じています。

当社は今年、中期経営計画「VALUE UP 2020」の3年目、折り返し点となります。中計の中では、当社の創業者のDNAでもある「マーケット・イン」の精神を大事にしています。お客様が求めているものは何か。先に述べた「安心・安全への取り組み」や「上質な旅の提案」も、まさに当てはまるものだと考えます。

各重点分野(インバウンド、教育旅行、MICE、BTM、インターネット販売)は、毎年堅調な伸びを示していますが、この「マーケット・イン」の精神をより強化することで、更なる進化を遂げたいと考えています。不安定な世界情勢、消費税率の改定など、マイナス要素もありますが、今年は10連休となるGWや「改元」なども控えており、ビジネスチャンスも多いものと期待しています。

当社は昨年実施された「JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」において、初めて、旅行業種での「顧客満足度」1位を獲得することができました。これは、「マーケット・イン」の精神のもと、日々CS活動に取り組んできた賜物であり、社員一人一人がお客様に誠意をもって対応させていただいた結果への評価であると、大変誇らしく思っています。この評価を糧にさらにお客様に支持される旅行会社となっていきたいと考えております。

本年も引き続き皆さま方のご支援・ご鞭撻を宜しくお願い申しあげます。

株式会社日本旅行


代表取締役社長 堀坂明弘