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京都市の観光分野でのキャッシュレス決済、関係店舗の8割超が導入済み、導入後に売上げ増加は3割

京都市観光協会は、協会会員で観光客と対面で決済対応を行なう土産店や宿泊施設、飲食店、文化・観光施設などを対象に、キャッシュレス決済の現状に関する実態調査を実施した。

これによると、対象889店舗のうち、キャッシュレス決済を導入しているのは83.8%。2015年(64.8%)と比較すると、19.0ポイント上昇した。京都市観光協会では、キャッシュレス対応店舗の導入時期と未導入店舗の予定を踏まえ、2022年には88.2%に達すると予測する。

決済手段についてはクレジットカードが多く、国際ブランドやJCBなどは97.8%。銀聯カードも68.8%の店舗が対応していた。ただし、その他の決済手段に対応している店舗は4割未満。QRコード決済への対応は中国系が27.7%、国内系が17.4%だった。

キャッシュレス決済導入店舗の決済手段別内訳:発表資料より

また、キャッシュレス決済導入後の売上変化については、「増加した」が33.4%で、飲食店(47.4%)や土産店(45.6%)で売上増加となった店舗が多い。

来店客のキャッシュレス決済の利用状況は、利用率20%~50%未満(33.5%)の店舗が最多で、次いで10%~20%未満(20.0%)、6~10%未満(19.3%)と続く。50%以上の店舗は15.3%で、消費者のキャッシュレス決済利用も多勢にはなっていないようだ。

業種別でみると、宿泊施設では利用率50%が41.2%、20%~50%未満が44.1%と他の業種よりも圧倒的にキャッシュレス決済利用が進んでいるが、その他の店舗では利用率50%以上は1割未満に留まる。ただし、飲食店では50%以上は5.4%だが、20%~50%未満は58.1%と約6割を占め、キャッシュレス決済が浸透しつつあることがうかがえる。

なお、キャッシュレス決済について「導入予定はない」と回答した店舗も8.0%あった。理由は、「決済の都度、加盟店手数料がかかる」(66.7%)、「導入に費用がかかる」(45.1%)など、導入や利用に伴うコスト増を嫌う理由が最多だが、「端末操作などが不安」(33.3%)や、「導入後の運用が分からない」(21.6%)、「何を導入したらよいかわからない」(15.7%)など、運用に対する不安や知識不足を理由する店舗も散見された。