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新型コロナで揺れる米国の観光産業、テーマパークのキャンセルは限定的か、一方でフロリダ州は戦々恐々【外電】

写真:AP通信

新型コロナウイルス(COVID-19)は、3月になり本格的な春休みシーズンに入るアメリカの観光産業にどのような影響を及ぼすだろうか。COVID-19対策を指揮するペンス副大統領は、先週末の段階では「健康なアメリカ人が旅行をするのは全く問題ない。ディズニーワールドでも、他のデスティネーションでも、クルーズ船であっても、最も危険なのは、基礎疾患を持っている高齢者で、他のアメリカ人は自信をもって旅行をしてもいい」と強調していた。

しかし、本当に安全だろうか。COVID-19の懸念は多様で、観光業界にはさまざまな問題が重くのしかかっている。AP通信の発信する情報をまとめた。

インターナショナル・テーマパーク・サービス社のデニス・シュピーゲル社長は、上海と香港のディズニーランドの臨時休園によって、ディズニーランドは1億7500万ドル〜3億ドル(179億円〜300億円)の損害を被ると見ている。

COVID-19感染拡大の影響はクルーズ業界やコンベンション業界では深刻だが、テーマパークについては現在までのところ、影響はそれほど広がっていない。しかし、ウイルス拡大の状況が刻一刻と変わる中、いつ状況が急転してもおかしくない。

そのフロリダ州のなかでも、ディデニーワールド、ユニバーサル・オーランド、シーワールド・オーランドなどがあるオーランドは最大のテーマパーク・デスティネーション。2018年は年間7500万人が世界中から訪れた。

しかし、そのオーランドも、3月8日にCOVID-19の感染者が確認された場所から105キロしか離れていない。

オーランドでは3月第1週で、すでに5つの大規模な会議がキャンセルされたが、レジャーの個人旅行には今のところ影響は出ていないようだ。毎年3月中旬から4月にかけての春休み期間には、多数の大学生や子供連れのファミリーがフロリダ州を訪れるが、キャンセルが増えるようであれば、オーランドのダメージは大きくなる。

一方、米国の観光系組織「USトラベルアソシエーション」は、今後3ヶ月で海外からの旅行者は6%減少すると予測。この予測があたれば、リーマンショック以来の下げ幅になる。

フロリダ州はCOVID-19に戦々恐々としているのは確かだ。ディズニーワールドでは、3月3日に新アトラクション「ミッキー&ミニー・ランナウェイ・レイルウェイ」がオープンしたばかり。スター・ウォーズの新アトラクションもオープンして1年も経っていない。

ディズニーワールドでは、4つのテーマパークと20ヶ所以上のホテルに消毒液を追加して配置すると発表している。ユニバーサル・オーランドも同様の措置をするという。