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大阪「あべのハルカス」が実践する海外デジタル世代へのマーケティングとは? スマホで旅行する時代の最適解が「クルック」だった(PR)

日本一高い「あべのハルカス」が、大阪・阿倍野区にオープンしたのは2014年春。それまで大阪といえば、北の梅田、南の難波・心斎橋の2大エリアに観光客が集中していた。それが、地下5階、地上60階の高層ビル登場により、あべのエリアにも大勢の人々が訪れるようになった。

なかでも訪日インバウンド旅行者の間で人気なのは、高さ300メートルに位置する展望台「ハルカス300」。旅先体験プラットフォーム、KLOOKを活用した海外向けオンラインマーケティングを展開してきた同社に、デジタル世代に刺さるPRからポスト・コロナ時代への備えまで聞いた。

外客増加ペースは訪日インバウンド市場を上回る

旅先体験プラットフォームKLOOK(クルック)で、「ハルカス300」入場券のオンライン販売が始まったのは2017年。以来、両社が共同で取り組む海外市場向けのオンラインマーケティングやPR活動は多数にのぼり、その成果も上々だ。ここ数年、クルックからハルカス300への送客数は急増。訪日インバウンド旅行者数の増加率を上回るペースで推移してきた。同展望台への外国人送客実績では、2018年、2019年ともにクルックが流通パートナー各社の中で最多を占めた。

クルックに関心を持ったきっかけは、訪日旅行におけるデジタル化と個人旅行(FIT)化だった。近鉄不動産 アセット事業本部 ハルカス事業部、垣野拓海氏は「かつてはガイドブックの情報を頼りにしていた旅行者が、スマホを使って情報収集するスタイルに移行していくなかで、こうしたニーズに対応できるデジタル・プラットフォームが必要だと考えていた」と振り返る。

クルックとの連携がスタートしたことで、大きく成長した送客市場は「やはり東アジア、それから東南アジアからの旅行者の伸びも大きい」。国籍以外では「若年層の増加が目立つ。以前は旅行会社からの団体旅行の送客が中心だったこともあり、年配の方が多かったが、デジタル利用に慣れた若い旅行者の開拓につながっている」というのが垣野氏の印象だ。

日本一高い展望台へのインバウンド誘致に取り組んできた垣野氏

ハルカス300展望台の入場チケットを扱っているのは、もちろんクルックだけではない。では旅行者にとって、クルックで予約するメリットは何なのか?

垣野氏はまず、予約から当日の利用まで、一貫して便利かつシンプルな流れになっている点を挙げる。例えば、予約を入れたら即、その場でQRコードが発行されて手続完了となるインスタント・ブッキング、紙のバウチャーではなくeチケットを購入し、スマホをかざして入場できる便利さなどだ。ハルカス300の場合、予約のタイミングは来訪の1週間ほど前が多いという。しかし、出発前だけでなく、日本や大阪に到着してから入場券を予約するタビナカ需要が拡大している。

クルックでチケットを買えば、スマホでQRコード付きeチケットを提示するだけで入場できる

背景には、旅行者側の事情もあると垣野氏は指摘する。「あべのハルカスは、大阪を訪れる人にとって、旅の最終目的地ではない、というのが我々の自己分析。訪日旅行者が真っ先に予約するのは、例えばUSJとかディズニーランド。それ以外に何をして過ごすかは、直前になってから決めたいという人が多いのではないか」。

クルックのプラットフォームが、デジタル世代のユーザーにとって使いやすいことも、利用者増につながっていると垣野氏は見ている。「現地情報を探すときに、直感的に操作しやすい。デザインもクールで洗練されているので、あべのハルカスの魅力が視覚的に訴求できる」。

テック企業を自認するクルックにとって、シンプルで使いやすい操作性は、最もこだわりのある部分だ。スピーディかつ臨機応変に、ユーザーの目に触れるあらゆるデザインや情報の出し方を改良できるよう、クルックでは外注ではなく、自社内にUI/UXデザイナーを多く抱えている。商品の販売スタート後も、コンバージョン率やページビューの動きを分析しながら、画像を差し替えたり、デザインをシンプルにしたり。最近では、商品の特性に合ったインフォグラフィックス活用にも力を入れている。

クルックでは掲載した画像に対するユーザーの反応も分析している

目指すのは認知度だけでなく販売アップ

一方、事業者側から見たクルック活用の利点はどうか。垣野氏は「やはり国境を越えた販路を持っているところ。加えて、言語や地域別に、ターゲット市場を絞ったプロモーションを展開できるのもよい」と話す。例えば「中華圏がターゲットなら“2枚購入で1枚無料追加”など、現地の消費者に好まれる手法で、迷っているユーザーをもう一押ししてくれる」(同氏)。情報のローカライゼーションでも、言葉の翻訳にとどまらず、地域特性を考慮した上で、ユーザーに「刺さる」表現方法を追求することが可能だ。

インフルエンサーを起用した販促活動では、ターゲット市場における「認知度アップ」の達成で終わってしまう残念なケースもあるが、「クルックとの共同PRは、最終的にチケット販売増にしっかりつながるように設計されているのも、事業者にとってはありがたい」と垣野氏。インバウンド旅行者に、あべのハルカスを知ってもらい、気に入れば、そのままオンライン上で展望台のチケット予約まで完結できる。こうした手法にも、信頼を寄せている。

海外からの旅行者を多く受け入れるなかで、新しい気づきも得た。その一つは、外国人旅行者がハルカス300展望台を訪れる時間帯が、圧倒的に夜に集中していること。ちなみに日本人客の場合、昼間に訪れる人の方が多いのだという。海外客のお目当ては、大阪一帯を見下ろす美しい夜景だが、夜に楽しめる観光アトラクションが限られていることも要因の一つだと捉えている。

こうした需要をにらみ、ハルカス300では、プロジェクション・マッピングを活用した新しい夜景の楽しみ方などを考案している。周囲の夜景と、展望台内に映し出される映像が一体となり、幻想的な空間を創りだすことで、他の場所では真似できない体験を届けることができる。海外市場向けのPRでは、最近、意識的に夜景のビジュアルを多用するようになった。

プロジェクション・マッピング(不定期開催)で夜景の楽しみ方はますます多彩に。

あべのハルカスは、今年3月7日に開業6周年を迎えた。展望施設といえば、話題が集まるオープン初年度に最も入場者数が多くなり、以降は減少することが多いが、クルックでの販売を開始した2017年以降、インバウンド需要の取り込みなどが効果をもたらし、ハルカス300への入場者数は150万人前後を維持してきた。ただし現在は、コロナ感染拡大の影響により、3月3日からの臨時休業中だ。

先が見えず、営業活動も難しい状況だが、「withコロナ時代においては、これまでとは違った生活様式や旅行スタイルとなることが予想され、そういった変化に対応するセールスアプローチや顧客層の開拓を行っていく必要がある。」(垣野氏)。

併せて来場客にとって、これまで以上に安心・安全な施設であるように、運営体制も再構築することが求められる。

デジタル化とキャッシュレスは感染抑制効果も

一方、これまで海外市場の開拓で連携してきたクルックでは、新しく日本の国内旅行マーケットに向けた取り組みが本格化する。

垣野氏は「あべのハルカスにとって、販路の拡大につながることなら歓迎だ。日本の国内旅行産業は、世界に比べて、デジタル化への取り組みがまだ遅れているが、そう遠くない未来に、デジタル対応が必須になることは明らか。将来に備えるという観点からも、クルックの先進的なプラットフォームを活用することは、当社にとって得難い経験になる」。

クルックの旅先体験プラットフォームが、海外旅行と同様、国内旅行でも普及することは、日本全国の各地域において、サービスのデジタル化、キャッシュレス化の動きを刺激し、加速することになるだろう。クルック日本支社の山崎真宏マーケティング・ディレクターは「デジタル化もキャッシュレスも、非接触型なので、今後の感染予防にも役立つ。今まで以上に必要とされるようになる」と見込んでいる。 

パンデミック収束後の旅行ビジネスでは、あらゆる感染リスクを抑制することで、旅行者から安心と信頼を取り戻すことが急務だ。「現金や紙のチケットでの販売を必要としない、クルックのデジタル・プラットフォームであれば、ユーザーの感染防止はもちろん、事業者側スタッフの安全や負担軽減にもつながる」(山崎氏)。 

クルックのモバイルプラットフォームは、公衆衛生におけるポスト・コロナ時代の新常識への対応でも威力を発揮しそうだ。

広告:クルック(KLOOK)

問い合わせ: reina.masumoto@klook.com

編集・記事:トラベルボイス企画部