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ニュージーランド、国内移動が自由に、警戒水準をレベル1に引き下げ、首相「次の焦点は国境の開放」

(写真:AP通信)

ニュージーランドは2020年6月8日23時59分(現地時間)に、新型コロナウイルスに関する警戒水準をレベル1に引き下げた。同国では17日間新規感染者が発生していないことから、隔離と検疫の入国規制を除き、国民と企業に課してきたすべての制限を解除することを決めた。

これにより、ニュージーランド市民は自由に国内を移動することが可能になった。ジャシンダ・アーダーン首相は会見で「公のイベントも、結婚式、葬式、パーティーなどでの制限も解除する。商店も制限なしに営業再開が可能。病院も通常に戻る。公共交通機関や国内旅行も完全に開放される」と述べた。

ただし、国内旅行の場合、利用した旅行サービス、接触した人を記録することが必要。また、知らない人との距離は取り、目的地までに立ち寄る場所を最低限にすることも求められる。また、イベントについては、レベル2で求められた対策を講じていないものへの参加は不可。

このほか、ソーシャルディスタンスを確保するために車で移動する旅行者が増えることで、公共交通機関の供給量が減少することが予想されることから、余裕を持って旅行の計画を立てることを勧めている。さらに、できる限りピーク時間帯での公共交通機関の利用を避けるように呼びかけている。

ニュージーランド政府は、国民全員に外出禁止を求めるなど厳しいロックダウンを7週間にわたって実施し、5月14日に解除した。専門家によると、同国が感染症一掃に成功した背景には、早い段階でのロックダウンに加えて、南太平洋の離島という地理的要因も挙げている。

レベル1に引き下げられたものの、新型コロナウイルスの影響によってニュージーランド経済は大きな打撃を受けた。数千人の雇用が喪失。特に同国経済の10%を占める観光業は壊滅的な被害を受けている。アーダーン首相は「次の焦点はいつ国境を開放するかだ」と語った。