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京都市観光協会、観光回復に向けた4段階のロードマップ策定、第1段階は国内観光の復興期、訪日は第3フェーズで

京都市観光協会では、新型コロナウイルスの影響によって大きなダメージを受けた京都観光需要の回復に向けた事業展開のロードマップを策定した。同協会会員をはじめ京都市の観光事業者の経営安定につながる質の高い観光消費を確保することを目的に、事業スケジュールを4段階に分け、国内および外国人宿泊客数を一定水準まで回復することを目指す。

第1段階は、GoTo キャンペーンの開始後に至るまでの国内観光の復興期と位置づけ、国内観光客による延べ宿泊客数を10万人泊/月にまで回復させる。インバウンドについては、世界12都市に展開している海外拠点を通じて情報の収集と発信を再開する。

第2段階は、GoTo キャンペーンにより国内観光需要が喚起され、海外旅行需要が国内観光へシフトし、例年以上に国内観光が活況を迎える状態として、国内観光客による延べ宿泊客数を新型コロナウイルス以前の水準である25万人泊/月にまで回復させる。インバウンドについては、在日外国人などを起点としたプロモーションを再開する。

第3段階では、アジア諸国やオーストラリア・ニュージーランドなど、渡航規制の緩和が検討されつつある近距離圏からの国際観光が再開する状況と位置づけ、国内延べ宿泊客数は25万人泊/月を維持しつつ、外国人延べ宿泊客数は10万人泊/月まで回復させる。そのなかで、再開される訪日観光と市民生活が調和できるように関係各所との合意形成を図る。インバウンドプロモーションについては、海外メディアの取材支援を強化することで、京都観光の露出を高めていく。

第4段階は、ワクチンの普及やビザ免除などの規制緩和が以前の状態に戻ることを前提として、外国人延べ宿泊客数は約20万人泊/月を当面の目標とし、日本人とあわせて45万人泊/月を目指す。

事業ロードマップ(報道資料より)京都市観光協会では、7月以降の感染状況の変化や京都市の観光振興計画の審議状況によって、このロードマップを見直す可能性があるとして、具体的な目標達成時期については明記していない。

また、昨年度に実施した訪問意向調査の結果を踏まえ、新しいターゲット層を設定。従来の地域や性年代ではなく、価値観や行動様式に基づく分類として、「無形の文化資源にまで価値を見出し、新しい体験に投資し、成長を楽しむことを重視する、国内外の旅行者」とした。

このほか、ロードマップの事業を展開していくうえで、ウィズコロナ時代に対応したDMOとして、Distance Managament(衛生対策、旅マエ体験の充実による社会的距離適正化)、Digital Management(デジタル技術の活用推進)、Demand Management(需要の分散化、ロイヤリティの高い観光客への資源集中)、Delivery Management(地域住民や在日外国人などを起点にした情報の伝達)の4つの「D」を進めていく方針。

なお、上記の宿泊客数の指標は、同会の「京都市観光協会データ月報」の調査対象宿泊施設(市内客室数の約4割)における月間平均延宿泊客数から算出しているもの。