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京都市、7月の日本人宿泊客数は50%減まで回復、GoToトラベル利用者は近郊が中心、10月以降の客室販売価格はお盆並みに

京都市観光協会は、2020年7月の市内61ホテルにおける宿泊客数をまとめた。それによると、日本人延べ宿泊客数は前年同月比50.1%減と引き続き厳しい状況が続いたものの、前月からは26.3ポイント回復し、3ヶ月連続で改善された。同協会では、6月19日以降、都道府県をまたぐ移動が解禁されたこと、GoToトラベルや京都市の消費歓喜キャンペーンの開始などを要因と見ている。

一方、外国人延べ宿泊客数は、事実上すべての国からの入国を禁止していることから、前月同様に同99.8%減の579人。4ヶ月にわたって、ほぼゼロとなる状況が続く結果となった。外国人比率は前年同月より56.9ポイント低い0.5%となり5ヶ月連続で単月としての最低値を更新した。

客室稼働率は、前月よりも4.6ポイント高い20.1%。同協会では、営業を再開するホテルが増えたことで販売可能客室数が増えつつも、客室稼働率は3ヶ月連続で前月を上回っていることから、宿泊需要は徐々に回復していると分析している。

京都市観光協会が提携するホテルデータサービス会社STRの調査結果によると、平均客室単価(ADR)は同9.4%低下したことで、1部屋あたりの収入(RevPAR)は同77.0%減と下落。しかし、RevPARの前年同月からの減少幅は2020年4月以降3ヶ月連続で縮小しており、需要に回復傾向が見られるとしている。

このほか、ビッグデータに基づき、「GoToトラベル」キャンペーン開始後の京都駅来訪者の内訳を見ると、京都府を中心とした近畿地方からの割合が大半を占める状況。同協会では、9月以降も先行きが不透明で、旅行予約の間際化が進んでおり、事業者にとっては収益予想が難しい状況が続くと見ている。一方、10月以降の予約サイトでの販売価格はお盆期間に匹敵しており、GoToトラベル効果の期待から、客室販売価格の底上げが起こっていると分析している。