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ブッキング・ドットコム、1-9月の純利益が94%減、一棟貸し民泊予約が全体の3分の1に拡大 ー2020年第3四半期

ブッキング・ホールディングスは、2020年第3四半期(2020年7-9月)の営業実績を発表した。引き続き新型コロナウイルスの影響を大きく受け、期間中の総旅行予約額は前年同期比47%減の134億ドル(約1兆3900億円)。予約泊数も同43%減に落ち込んだ。

これにより、第3四半期の営業収益は同48%減の26億4000万ドル(約2740億円)を計上。1-9月では同53%減の55億5800万ドル(約5760億円)となった。純利益は、7億3000万ドル(約757億円)の株価含み益を計上したことで、同59%減の8億100万ドル(約830億円)と持ち直したものの、1-9月では同94%減の2億2400万ドル(約232億円)と大きく落ち込んだ。このほか、non-GAAP利益は同74%減の5億400万ドル(約522億円)、調整後EBITDAは同60%減の10億ドル(約1037億円)。

同社のグレン・フォーゲルCEOは、米フォーカスワイヤ紙のインタビューで「第3四半期は、各国のロックダウン解除でブッキング・ホールディングスも恩恵を受けた。しかし、また新型コロナウイルスの感染者数が世界的に増加し、それに合わせてロックダウンや旅行制限を課す国も出ており、直近の旅行市場に影響が出るのは避けられない」とコメントしている。

同社のデビッド・ゴールデンCFOによると、第3四半期では、バケーション・レンタルの予約が好調で、全予約数の3分の1を占めたという。それでも、フォーゲルCEOは、特にアメリカでバケーション・レンタル、特に個人宅の在庫が足りていないと明かしている。

第3四半期のマーケティング費は計7億3100万ドル。ゴールデンCFOによると、第4四半期は前年と比べて「かなり抑えることになる」という。世界各国で感染者数が再び増加していることから、11月と12月の予約泊数は10月よりもさらに減少する見込み。ゴールデンCFOは、「底は2021年の春先まで続き、その後U字回復していくだろう」と見ている。

ブッキング・ホールディングスは、コスト削減策の一環として、今年8月に25%の人員削減を実施。今年末までにさらに大量解雇が発表されると言われている。

また、ブッキング・ドットコムは、ビジネス戦略について、長年議論してきた「コネクテッド・トリップ」を一旦取り下げる考えを示したが、アメリカでは10月にフライト予約のサービスを立ち上げた。また、シームレスな決済ソリューションの開発を継続し、サプライヤーにもそのサービスを拡大していく方針も示している。