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【年頭所感】ブッキング・ドットコム、北アジア地区統括ディレクター、ヴィカス・ボーラ氏 ―五輪の今年は未知のステージ、取扱いサービスの拡充へ

ブッキング・ドットコム北アジア地区統括ディレクター、ヴィカス・ボーラ氏が、2021年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

ボーラ氏は、昨年は世界的に未曽有の困難に立ち向かい、人々の価値観が自然に変化してきたとの実感を表明。旅行でも、当面は身近な場所の良さを再発見して新しい楽しみ方を模索する国内旅行を中心としたサービスが求められているとし、日本のユーザーのニーズに合ったサービス提供に注力するとの方針を示した。また、東京五輪を控える今年は、日本や観光業界、そして同社にとって未知の世界が広がるステージになるとし、今後も魅力的な旅行体験の提供に、鋭意努力するとしている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2021年 年頭所感 -2021年の総括と新年の展望

新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。

昨年は、ブッキング・ドットコムだけでなく日本そして世界的に、一丸となって未曾有の困難に立ち向かった年となりました。旅行はもちろん日常生活においても状況が刻々と変化し、スピード感をもった対応を強いられた場面も数多くございました。そのような状況で、人々の価値観もまた自然と変化してきたと感じております。

ブッキング・ドットコムが発表した2021年以降の旅行トレンドの予測「Future of Travel」によれば、世界各国で実施されたロックダウンの最中、旅行者の65%が「再び旅行するのが楽しみである」と答え、61%が今までよりも旅行のありがたみを感じて「今後は旅行できることを当たり前だと思わずに貴重な機会として受け止めるだろう」と回答しました。また、42%が「2020年に旅行ができなかった分を今後取り戻したい」と願っていることから、安全に旅行ができる状況になった際には旅行者のニーズに応えられるよう、旅行業界は状況に準じて適応していく必要があると考えられます。

一方で、今後の旅行について43%が「自身が居住する地域または国内でまだ行ったことのない目的地を訪れるつもりだ」と回答していることからも、国内旅行または「マイクロツーリズム」が注目され、当分の間は身近な場所の良さを再発見して新たな楽しみ方を模索する国内旅行を中心としたサービスの拡充が求められています。

ブッキング・ドットコムは、このような状況に対応すべく、より一層日本のユーザーの皆様のニーズに合ったサービスを提供できるよう注力しています。

2020年8月には、政府が主導する「GoToトラベル キャンペーン」に参加いたしました。これにより、日本の国内施設パートナーを支援し、新型コロナウイルスの影響を受けた地域の再活性化と国内観光需要喚起を可能とし、多くのパートナー施設の皆様より好評のお声を頂戴いたしました。さらに、このコロナ禍でも安心して宿泊施設を選んでいただけるよう、ブッキング・ドットコムでは新たな基準となる各施設の「健康・安全に関する取り組み」表示を独自に採用したり、旅館でも部屋食が楽しめるようサービスを強化したりするなど、このニューノーマルな世界で旅行を楽しめるようさまざまな角度からサポートしています。

2021年は特にサステイナブルな旅やその意識が広まっていくと見られています。実際、世界中の旅行者の53%が「将来はよりサステイナブルに旅行したい」と表明しており、新型コロナウイルス感染症によって環境や地域コミュニティへのインパクトに関する意識が一層高まっていることから、2021年以降はよりエコフレンドリーな傾向が見られると予想しています。そんな想いからブッキング・ドットコムでは、2020年2月より英国サセックス公爵ならびに業界をリードする4社とともにグローバル・パートナーシップ「Travalyst(トラバリスト)」を発足し、旅行業界におけるサステナビリティな取り組みに、より一層力を入れてまいります。また11月には、デジタルトラベルカンパニーとしては初めて世界観光機関(UNWTO)と国連環境計画(UNEP)がエレン・マッカーサー財団と共同で主導している「グローバル・ツーリズム・プラスチック・イニシアチブ」に参画しました。観光や旅行によって引き起こされるプラスチック汚染の根本原因に対処するという共通の問題解決に向け、業界が一丸となって取り組んでいく所存です。

「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に掲げるブッキング・ドットコムにとって、旅行者が旅行先に求める宿泊、交通、文化、食べ物、買い物など、旅行に関わる「旅ナカ」のシームレスな予約を可能にする「コネクテッド・トリップ」は重要な施策の一つであり、2019年より一層強化してまいりました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響が深刻さを増すなか、一時は宿泊予約事業に集中しておりましたが、デジタル化が進む社会で予約者のニーズにあった旅行体験を提供するべく、現在取り扱っている「旅ナカ」体験に加え、今後は扱うサービスの充実化を図り世界をより身近に体験できる瞬間を提供してまいります。

東京オリンピックを控える2021年は、日本や観光業界、そしてブッキング・ドットコムにとって未知の世界が広がるステージとなるでしょう。安全に十分な注意を払いながら旅行をする人々が多くなり、日本の独特な文化や歴史、自然の美、そして洗練された料理など、「隠れた魅力」を旅行者が体験することができるようお手伝いをするだけでなく、旅行者があらゆる滞在先で思い出に残る素晴らしい時間を過ごしていただくことを切に願っております。今後もさらに魅力的な旅行体験をご提供できるよう鋭意努力してまいります。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社

北アジア地区統括リージョナル・ディレクター

ヴィカス・ボーラ