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旅行業・宿泊業とも4月の倒産は3件、政府や金融機関などからの支援効果で1~4月の累計は前年比減

東京商工リサーチは2021年4月の旅行業と宿泊業の倒産状況を発表した。それによると、旅行業では前年同月をうわまわり、宿泊業では前年同月から減少。増減はあるものの、東京商工リサーチでは、コロナ禍での政府や金融機関の支援が倒産発生を抑えていると見ている。

旅行業の倒産は3件(前年同月比200.0%増)で、2020年10月以来、6カ月ぶりに前年同月を上回った。一方、2021年1〜4月の累計倒産件数は12件(同7.6%減)にとどまった。

負債総額は10億1700万円(同471.3%増)で、件数と同様に6カ月ぶりに前年同月を上回った。3月29日に東京地裁から破産開始決定を受けたハートフルインターナショナル(負債9億5,000万円)は、旅行業としては今年最大の倒産で、唯一の負債1億円越えとなった。

4月に倒産した3件はすべて新型コロナウイルスの関連による破産。地区別では関東2件、北陸1件。

また、宿泊業倒産は3件(同88.0%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回り、月次ではコロナ禍以降最少件数となった。昨年4月は、初の緊急事態宣言の影響が大きく、過去30年間で最多の25件が発生していた。

1〜4月の倒産件数は33件で、前年同期の46件から減少。旅行業の場合同様に、国や自治体、金融機関による資金繰り支援が奏功したものとみられる。

4月の負債総額は19億1600万円(同89.3%減)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。負債17億円の倒産が1件発生。平均負債額は6億3800万円(同11.2%減)だった。

4月の倒産3件すべてが販売不振による破産。地区別では、関東と中部、北陸で各1件。