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世界のホテル稼働状況、米国は回復基調、欧州は低調、アジア太平洋は中国が稼働7割で牽引 ー2021年4月

世界のホテルマーケティング分析を行うホットスタッツ社が、2021年4月の世界のホテル稼働状況データを公表した。それによると、米国では回復基調が顕著な一方、ヨーロッパは他の地域と比較すると成長は鈍く、アジア太平洋では好調な中国市場に支えられていることが分かった。

米国のGOPPAR (1室が生み出す収益指標:Gross operating profit per available room)は、前年同月比235%増の35.45ドル(約3900円)となり、2020年2月以降で最高を記録した。需要の高まりに伴い、客室収入と総収入が増加。特にレジャー旅行者が増加し、4月の総旅行者のほぼ50%を占め、1年前と比べて22.9ポイント上昇した。

TRevPAR(販売可能な1室あたり総売上高:Total revenue per available room)は同752%増の116.04ドル(約1万2800円)で、3月から15ドル(約1650円)高くなった。利益率は30.6%で前月とほぼ同水準。

ヨーロッパでは、引き続き移動規制が行われていた国が多かったため、稼働率は低く20%以下。RevPAR(1室あたり収入:Revenue Per Available Room)は16ユーロ(約2140円)で、前年同月比では225%増となったものの、2019年4月比では依然として85.5%減となった。TRevPARは同155%増の28.85ユーロ(約3870円)、GOPPARは同51%増の8.20ユーロ(約1100円)だった。

アジア太平洋では、好調な中国に牽引されるかたちで、稼働率は50%を超え、RevPARは同241%増の59.87ドル(約6590円)に上昇した。GOPPARも同276%増の25.80ドル(約2800円)。中国だけを見ると、稼働率は70%に迫り、GOPPARは41.78ドル(約4600円)とアジア太平洋の平均を大きく上回り、2019年4月比でも4ドル(約440円)減にまで回復した。

※ドル円換算は1ドル110円でトラベルボイス編集部が算出

※ユーロ円換算は1ユーロ134円でトラベルボイス編集部が算出