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次にヒットする観光トレンドをつかめ、「ヤフー商品トレンドマップ」で見えたブレイク候補を聞いてきた(PR)

今の消費者の関心は何か、次にヒットする商品は何か?多くの旅行マーケターや商品開発、営業担当者の大きな課題だが、データをもってしてもヒット商品を完全に予測するのは難しい。しかし、長年、インターネットの検索動向とヒット商品の相関をウォッチしてきたヤフーによると、大ブレイクに至る商品の検索動向でよく見られるパターンは、「長期的に」「じわじわと」検索数が増えていくこと。つまり、そのような動きを見せているキーワードを知ることが、“ネクストブレイク”に近づくヒントになる。

ヤフーでは、「Yahoo! JAPAN」が保有する日本最大級のビッグデータ分析から導き出される示唆を、多種多様なレポート機能や分析ツールで提供している。今回はその中の1つ、ヒットの予兆を読み取る「ヤフー商品トレンドマップ(以下トレンドマップ)」で、次の観光トレンドを探ってみた。

検索ワードをもとに、トレンド動向を読み解く

トレンドマップは、「まだ大ブレイクには至らないが、これから流行りそうなモノやコトを機械的に抽出し、カテゴリ別に可視化できるツール」と、ヤフーのデータソリューション事業本部クライアントソリューション部の新庄匠氏は、説明する。

トレンドマップの考え方。検索数の集計期間は直近3カ月、半年、1年間など、自由に設定可能。今回は上部2つのエリアから分析

横軸はYahoo! JAPANでの「検索数」。右に進むほど検索数が多いキーワードが並ぶ。縦軸は、ヤフーが独自に算出する「トレンドスコア」で、トレンドの勢いを表す指数。つまり、じわじわと検索数が伸び始めているキーワードの「じわじわ度」を指数化し、ブレイク感が一目で分かるように図表化したものだ。

トレンドマップの元となった「検索トレンドマップ」はすでに公開しているものであり、そこではマップを4つのエリアに分けている。検索数はまだ少ないものの、感度の高い人々が反応しているキーワードがせめぎあう「ポテンシャルエリア」、その中から一歩抜け出し、次にブレイクする可能性が高い「ネクストブレイクエリア」、すでに大ヒットとなった「ブレイクエリア」、安定して高い興味関心を得ている「ポピュラーエリア」だ。

その中で今回のトレンドマップでは、ツールコンセプトとして「ネクストブレイクエリア」と「ブレイクエリア」から、さらにヒット商品に近いと思われるスコアを持つキーワードに特化してデータを抽出している。

一例として、2021年にブレイクした人気スイーツ「マリトッツォ」が同マップ上でどう表れていたか見てみたい。トレンドマップ上で示すと、左上のネクストブレイクエリアに登場したのが2020年11月。その後、半年弱で右上のブレイクエリアに移行し、検索数のピークは2021年夏だった。このように、トレンドマップではマリトッツォのヒットの予兆を、2020年末から2021年春ごろの段階でつかむことができた可能性がある。

ヤフー商品トレンドマップに表れたマリトッツォの検索の推移

ヤフーではこのトレンドマップの旅行業界版を作成した。カテゴリは自由に設定可能だが、今回は「温泉」「アクティビティー」のカテゴリで調査を実施。カテゴリごとに、じわじわ伸びているスポットやテーマを把握し、旅行関係の事業者や自治体がコンテンツ作成に生かせるようにした。コロナの影響で減少している検索キーワードもあるが、「逆に今の状況だからこそ、注目が高まっている傾向も見て取れる」と新庄氏は話す。

ヤフー データソリューション事業本部クライアントソリューション部アナリティクスソリューション担当 新庄匠氏

ヒットの予兆・キーワード1:「一人旅、女子、温泉」

では、ヤフー商品トレンドマップの中から、旅行関連ワードの事例を見てみよう。取り上げるのは「今、注目され始めている、ブレイクしそうな候補を読み取るのに効果的」(新庄氏)という「ネクストブレイクエリア」と、「ブレイクエリア」にあるキーワードだ。

まずは、コロナ禍で検索が増えているカテゴリの「温泉」から。「黒川温泉 湯あかり」などのイベント名や、温泉地や施設名のキーワードが多いなか、ヤフーが注目したのは「一人旅 女子 温泉」という組みあわせ。トレンドマップの下部に2020年からの検索数推移もあわせて掲載しているが、それを見ると検索数は2020年から増加傾向にあったが、2021年夏以降、さらに伸びが加速していることが鮮明になった。検索をした人の属性は、女性が95%以上と圧倒的。年代は30代、40代と幅広い。

「一人旅 女子 温泉」はブレイクエリアへと移行しつつある

新庄氏は、「まさにコロナ禍ならではのトレンド。一人で楽しめることを探していることが推測できる。ちなみに、ヤフーの別の分析では“部屋食”の検索も増加しており、接触機会を避けようとする気遣いも見て取れる」と読み解く。

女子の一人旅は、旅行業界ではコロナ以前から注目されていた市場だ。ここに来てなぜ、「温泉」が一緒に検索されているのか?あるいは、女子の一人旅は温泉以外でも増えているのだろうか?など、トレンドマップの結果によって新たな疑問が出てきたら、別のキーワードとの組み合わせをトレンドマップ化して、比較してみることも可能だ。トレンドマップは仮説を立てながら、「女子一人旅」に何をぶつけるとヒット商品が生まれるか?などのリサーチを深掘りする第一歩として活用できる。

さらに、トレンドマップからの示唆を起点に、ヤフーが各種開発するレポート機能や分析ツールを活用するのも有効。例えば、消費者群のインサイトの調査ツール「DS.INSIGHT(DSインサイト)」で「一人旅で温泉に行く女子」のペルソナを作成し、温泉以外の興味関心事や生活スタイルの特徴など、より具体的な消費者像に迫ることもできる。

ヤフー マーケティングソリューションズ統括本部第二営業本部の柴田奏未氏は、「トレンドマップを見ると様々な仮説が浮かんでくる。これを検証する最適なツールも提案できるよう、随時、相談に応じている」と話す。

ヤフー MS統括本部第二営業本部営業2部セールス1 柴田奏未氏

ヒットの予兆・キーワード2:「星空ナイトツアー」

もう一つのカテゴリは「アクティビティー」。検索数の増加が顕著なキーワードには「堂ヶ島 遊覧船」、「時之栖イルミネーション」などがあるが、このうち、「阿智村 星空ナイトツアー」の検索データを見てみよう。

検索数が伸び始めたのは2021年半ば頃から。検索している人の年代は、20代以下が最多(約27%)となり、若年層の関心が高い。男女比では女性の比率が7割近くを占め、検索している人の居住地は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されていたことが影響しているのか、阿智村のある長野県周辺が多かった。

直近1年間の検索数で作成したアクティビティーのトレンドマップ。様々なキーワードがひしめいている。インターネット上の検索ワードの縮図といえる

星空ナイトツアーに最も関心を示していたのが20代女性というデータに、旅行関係者は驚くのか、それとも頷くだろうか?

「旅行に限らず、想定とは少し違う結果がデータとしてはっきり出るのも、トレンドマップの面白いところ」と新庄氏。それが、メーカーの商品開発など、さまざまな業種で重宝されている理由の1つだという。過去の経験で得た、人の感覚や知見は今後も重要だが、新庄氏は「推奨するパターンは、人の知見経験とヤフーの検索データ分析をあわせて、ハイブリッドにビジネスの企画検討を進めること。狙いを外すリスクを最小限に留めることができる」と、データ分析と人の知見をあわせて検証する重要性を強調する。

さらにヤフーのデータ分析によると、「星空ナイトツアー」を検索した人は、阿智村の観光、宿泊施設、キャンプ場の検索もしているほか、天気の状況、星空指数などの検索も多く、実際に星空を見られるかどうかを気にしていることが見て取れる。DS.INSIGHTで「阿智村、星空ナイトツアー」を検索したユーザー群がその前後に検索していたワードを図表化すれば、彼らがどんな宿泊施設やサービスを探しているのかが可視化できる。

こうした情報は、商品造成をする旅行会社や、誘客に取り組む自治体の大きなヒントになりそうだ。

「より伝わる」コンテンツを作る手段に

トレンドマップで検証したキーワードは、旅行業界でどのように生かせるのか?「まず1つは、そのキーワードにマッチしたコンテンツを、SNSや自社サイトなどのオウンドメディア経由で消費者に届けること。これにより、自社サービスへの誘導を増やすことができる」と新庄氏。

また柴田氏は、広告展開や旅行ツアー造成でのメリットとしてターゲット層、つまり検索している人の属性が分かることを挙げた。ターゲット層によって用意すべきクリエイティブの種類は異なり、ターゲティング手法の選択にも大きく影響する。柴田氏は「ヤフー商品トレンドマップは、広告の最適化に役立つ。ユーザーに『より伝わる』広告を作るための手段だと捉えてほしい」とアドバイスした。

ビッグデータから次に流行る消費者トレンドを予測できれば、コロナ後の旅行需要の拡大期にいち早く、市場にあった旅行販売が可能になる。日々、こうした情報をつかんでおきたい。

※本記事のカテゴリの他、「寺・神社」「ホテル」のカテゴリも加えた、「旅行業界版トレンドマップ」を解説するオンラインセミナーを開催予定です。詳細は後日こちらのページ(https://ds.yahoo.co.jp/seminar/)にアップいたしますので、お申し込みの上、ぜひご参加ください。

※「ヤフー商品トレンドマップ」などヤフーのデータソリューションについての詳細・お問い合わせは、ヤフーの担当営業、またはデータソリューション公式サイト(https://ds.yahoo.co.jp/)までお願いいたします。

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記事:トラベルボイス企画部