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夏休みの国内旅行者数はコロナ前の3%減まで回復か、遠方旅行が増加、海外旅行は50万人予測 ―JTB動向調査

JTBが、2022年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向を発表した。旅行動向アンケート、経済指標、業界動向、航空会社やJTBグループの予約状況から推計したもの。国内旅行人数は前年同期比75.9%増、コロナ前の2019年同期比では3.3%減の7000万人、国内旅行消費額は前年同期比88.3%増、2019年同期比6%減の2兆4850億円になるとみている。国内旅行平均費用は前年同期比7.6%増、2019年同期比2.7%減の3万5500円。

アンケート調査からは、緊急事態宣言が発出されていた2021年の夏休みと比べ、遠方へ長期間、同行者は近しい家族から友人・知人に拡大、行き先はテーマパークやレジャー施設などが増加する傾向が明らかになった。

旅行目的や動機は「家族と過ごす(12.3%)」が最も多い一方、「イベント・祭り・観劇・スポーツ観戦など(5.4%)」、「テーマパークやレジャー施設(4.7%)」がそれぞれ昨年より4.5ポイント、0.9ポイント増加した。旅行日数は「1泊(35.7%)」が最多だが、昨年から6.2ポイント減少。「2泊(33.1%)」、「3泊(18.3%)」はそれぞれ増加した。また、これまでの少人数の家族やひとりが中心だった旅行から、同行者が拡大する傾向もみられた。

発表資料より

旅行先は「関東(17.4%)」、「近畿(13%)」、「東海(10.4%)」、「九州(10.3%)」、「北海道(10.1%)」の順。居住地別にみると、域内旅行の割合はすべての地域で減少。関東居住者は域内旅行が昨年より6.2ポイント減少し、北海道、九州・沖縄への旅行が増加した。

発表資料より

利用交通機関は「自家用車・レンタカー(61.9%)」が最も多かったものの、昨年より8.1ポイント減少。「鉄道全体(43.5%)」、「航空機全体(23.3%)」は増加した。利用宿泊施設も「ホテル(63.2%)」が最多で、前年より20.1ポイント増加し、都市部への旅行の回復がうかがえる。

なお、期間中の海外旅行人数は前年同期比455.6%増、2019年同期比83%減の50万人と予測。海外パッケージツアーが一部再開し、関心は高いものの、水際対策や入国者数制限に伴う出入国手続き、入国規制が大きな壁になっている。

また、海外旅行の実施時期については、最も高かったのが「円安や物価が上がっているので、今年度は旅行したくない(18.8%)」、次いで「国際情勢や感染症がまだ不安なので、今年度は旅行したくない(17%)」となり、消極的な意見が上位を占めた。