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2021年度の国内宿泊旅行、志向性に変化、「せっかく行くなら良い旅を」 ーじゃらんリサーチセンター

リクルートの観光に関する調査機関「じゃらんリサーチセンター(JRC)」はこのほど、「じゃらん宿泊旅行調査2022」の結果を発表した。2021年度(2021年4月~2022年3月)の観光を目的とした宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)について調べたもので、有効回答数は1万4123件。コロナ禍の前の2019年度と比べると完全回復には遠いものの、旅行単価の上昇がみられ、JRCは「せっかく行くなら良い旅をという志向性がみられる」などと分析している。

延べ宿泊数は2019年度比で4割減

これによると、2021年度の国内宿泊旅行実施率は34.1%で、2020年度より2.9ポイント増加した。年間平均旅行回数は2.59回で微増。また、平均宿泊数は1.83泊で過去最高となった。

延べ宿泊旅行者数は8231万人回で、2020年度比では13.4%増、コロナ前の2019年度比では39.4%減にとどまった。延べ宿泊数は1億5138万人泊。2020年度比19.3%増、2019年度比37.9%減と、2019年度からほぼ半減した2020年度と比べると回復がみられる。2021年度の宿泊旅行実施率はいずれの属性においても回復し、特に女性20~34歳で4.8ポイント、女性35~49歳では3.9ポイントと増加幅が大きい。

費用総額は4.7兆円、平均費用は5万6900円

宿泊旅行にかけられた費用総額は、推計で4兆6837億円。2019年度比では42.3%減にとどまった。1回の宿泊旅行にかかった費用は平均5万6900円で、2020年度と比べて5100円増加した。内訳をみると、宿泊・交通費で2600円、現地消費で2500円増加している。個人旅行は総額5万4800円で2020年度から5400円増加、パッケージツアーは総額8万6500円で2020年度から8700円と大きく増加した。

発表資料より

目立つ都市エリアの回復

都道府県別の延べ宿泊旅行者数が最も多かったのは東京都で、1位に返り咲いた。5位の大阪府は2ランクアップ、9位の福岡県は圏外からランクインし、都市部エリアの回復が目立つ形となった。

居住県と行き先の関係を見ると、県内旅行率トップは2020年度に続き北海道。5位長崎県、6位富山県、7位高知県は県内旅行率が2020年度より上回った。さらに県内旅行と県外旅行の件数を比較すると、2020年度と比べて県内旅行の件数は減っておらず、近隣旅行の需要は続きながら、県外への旅行が追加された様子が見てとれる。

発表資料より