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ナビタイム、旅行・バス会社向けサービスを開始、貸切バスのツアー行程表作成、公共交通との組みあわせや車高・幅に対応したルートで

ナビタイムジャパンは2022年7月28日から、旅行会社やバス事業者向けの業務支援サービス「行程表クラウド」の提供を開始した。消費者向け旅行サイト「NAVITIME Travel」で提供する旅行プランニング機能を法人向けに展開し、観光バス専用カーナビなどのサービスで培った技術もあわせて提供する。ルート選択時に車高や幅、長さなどを考慮する必要のある貸切バス(大型・中型・小型)と公共交通、徒歩、自転車を組みあわせたルート検索が可能な行程表作成サービスは、日本初だという。

発表の会見で、同社メディア事業部兼トラベル事業部部長の毛塚大輔氏は、サービスの開発背景を説明。サービス基盤となったNAVITIME Travelの旅程プランニング機能は、同社の各種サービス技術を集約しており、公共交通や施設、道路などさまざまなデータを組みあわせた行程の作成ができることから、すでに旅行会社や貸切バス会社などが行程表作成に使用している。毛塚氏は「業務で使いたいという相談が増えていた。コロナ禍で生産性やコスト削減意識が高まっている。我々が業務効率化を支援することで、業界の活性化につなげたい」と、商品化の目的を説明した。

同サービスでは、「行程」「スポットリスト」「地図」を1つの画面上に表示。従来の業務では、地図や乗換サービス、時刻表、観光施設の営業時間情報など複数のサービスを確認する作業が発生していたことを踏まえ、同サービスでは(1)スポット検索、(2)スポット選択、(3)ルート検索の3つのステップで、複数の交通機関の利用や貸切バスの大きさに対応したルートを作成できるようにした。また、スポットリストには観光地や施設、駅など約900万カ所を掲載。大型車向け駐車場なども含めており、ツアー等で利用されるスポットを網羅しているという。

さらに、走行距離や高速料金は自動計算し、コスト計算の短縮化する機能も。作成したルート等はPDFやテキストで出力可能としており、社内確認や見積依頼がスムーズにできるようにした。今後は、貸切バスの運送申込書、引受書、配車場所地図のダウンロードなどの機能も追加し、行程表作成に必要な業務を同サービスで完結できるようにする方針だ。

利用料金は初期費用0円、1アカウント月額5000円。10月末までは無料で提供する。また、ツーリズムEXPOジャパン(トラベルソリューション展エリア)をはじめとする展示会への出展や、定期的なセミナー開催も予定している。

記者会見ではサービスのデモも実施。東京から名古屋までは新幹線利用、名古屋では貸切バス利用で想定した行程表の作成を説明