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グーグル、過去5年間の米国便運賃データの変動を分析、「一番安い航空券」の検索数は3.4倍に

グーグルは、2022年8月末、航空券検索の「グーグル・フライト」で過去5年間の米国便運賃データを分析し、最も価格が安くなる予約のタイミングなどを調べた結果を発表した。同社によると、米国では2022年4~8月、「一番安い航空券」の検索数が3.4倍(240%増)となったほか、「航空券を予約するベストのタイミングは?」「安い航空券を探す方法」など、空の旅に関する質問も非常に多かった。

グーグルがまとめた過去のデータでは、「航空運賃が最も安くなる出発日」は、一週間の中間の平日で、月・火・水曜日発のフライトは、週末便よりも平均12%安かった。米国内線だけに限ると、この差はさらに大きくなり20%に。また直行便と乗り継ぎ便を比較すると、直行便は、途中で乗り継ぎが発生する便よりも平均20%高く設定されていた。

予約を入れる曜日で違いはあるか? 

実は、今回のデータ分析結果では、僅差ながらも、火曜日が最も安かったという。フライトを火曜、水曜、木曜日に探した場合と、土曜・日曜日に探した場合を比べると、わずか1.9%の差ではあるが、火~木曜日に見つかる便の方が安い結果となった。

「出発日が数週間後に迫っているなら、価格上昇のリスクもある。火曜を待たずに、早急に予約するべき」とグーグルフライト担当プロダクトマネジャー、ジェイムズ・バイヤーズ氏は付け加えている。

では、出発日の何日前が最も安いタイミングとなるのか。これは路線によっても変わるようだ。米国内線に限った場合、運賃が安いのは出発日の21~60日前、最底値は平均44日前だった。もちろん、これはあくまで平均値であることは留意するべきとバイヤーズ氏は指摘している。

一方、国際線の予約では、国内線より早めに動いた方がよさそうだ。米国発ヨーロッパ便を予約する場合、最もお手頃価格の航空運賃になるのは出発の129日前。価格が比較的、安いのは出発より50~179日前という結果になった。米国からメキシコ、カリブ海諸国への便では、出発の37~87日前が安く、最底値は59日前だった。

一番安い運賃で予約できるタイミングは、休暇シーズンによっても多少の差が見られた。感謝祭休暇で米国内線のフライトを予約する場合、航空運賃が安いのは出発日の36~74日前。最底値は平均52日前。普段の旅行よりも早めの計画が必要となるようだ。

クリスマスシーズンの米国内旅行で、運賃の平均値が最も安かったのは出発の22日前。とはいえ、出発日の20 ~88日前の間に、航空券が値下げされることはめずらしくないため、ギリギリまで待つのは得策ではないとしている。

そのほか、春休みやイースター休暇の旅行シーズンを迎える3~4月の米国内線では、航空運賃が最も安くなるのは出発日の23~59日前。最底値は38日前。同様に、夏休みに入る7~8月の米国内線は、出発日の14~44日前までは安く、平均値が最も安かったのは21日前だった。

最安値を探す旅行者のための便利機能

グーグル・フライトでは、最安値を探す利用者にとって便利な機能も用意している。

例えば、今、自分が見ている運賃が、通常と比べて安いのか高いのかをチェックできるツールが「プライス・インサイト」。グーグル・フライトでは、過去12カ月までさかのぼり、同じような運航ルートのフライトと価格を比較している。さらにセレクトサーチ(オプションの絞り込み機能)を使うと、今後、大幅な価格変動があるかどうかの予測も可能だ。

実際に、フライト運賃が変更された場合に備えるツールも、同社では提供している。旅行予定のデスティネーションと日程を対象に、トラッキング機能をオンにしておくと、大幅な航空運賃の見直しがあった時、グーグルフライトから通知メールが届く。トラッキングする際に「どの日程でも可(Any dates)」を選択しておくと、以降3~6カ月以内のフライトで値下げがあった時に通知を受け取ることができるので、「日程がフレキシブルな旅行には便利だ」(バイヤーズ氏)。