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2022年上半期の宿泊業の倒産は15%増の46件、2年ぶりに前年比増、10月以降の支援縮小で息切れの懸念も

東京商工リサーチが発表した2022年上半期(4~9月)の宿泊業の倒産状況によると、倒産件数は前年同期比15%増の46件で、2年ぶりに前年同期を上回った。このうち、「新型コロナウイルス」関連倒産は32件で全体の7割(構成比69.5%)を占めた。

負債総額は同89.1%減の125億3900万円で、3年ぶりに前年同期を下回った。前年同期に東京商事(負債1004億8300万円)が発生したことから、その反動による減少。一方で、負債5億円以上10億円未満が5件(前年同期4件)で前年同期比25.0%増、負債1億円以上5億円未満も27件(同14件)で同92.8%増とともに増加し、中堅規模の倒産が増加した。

原因別では、「販売不振」が35件(前年同期比9.3%増)と増加したものの、構成比では76.0%と前年同期(80.0%)を4ポイント下回った。

地域別で倒産が減少したのは、東北(5件から4件)、関東(13件から9件)、中部(7件から6件)で、残りの6地区は前年同期を上回った。

東京商工リサーチでは今後について、「全国旅行支援」などにより需要の拡大が期待されるものの、9月には政府系金融機関による「実質無利子・無担保融資」の受付が終了となったほか、10月には雇用調整助成金や休業支援金も規模を縮小するなど、資金繰り支援から本業支援へと移行しつつある。このため、業績の回復に時間を要する企業による手元資金が枯渇する息切れ倒産が懸念されるとしている。