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欧州旅行大手TUI社、来夏の予約は145%増、不確実性高く再び払戻し対応の恐れも、2020年度第3四半期の累計損失は2500億円

ヨーロッパ最大手の旅行会社TUIは、6月中旬からヨーロッパ各国で旅行が再開されて以降、グループ全体で170万件の予約を受けたと明らかにした。特に、すでに2021年夏の予約は、2019年に今夏のために予約された件数よりも145%増加しているという。

一方、世界的なデータ分析会社GlobalDataは、この発表を楽観的だとし、イギリスが海外からの入国者に対して2週間の自主隔離を再び義務付けたことから、TUIは払い戻しに対応せざるを得なくなると分析している。

GlobalDataによると、2020年7月時点で航空券予約者の47%が払い戻しを持っている状況。TUIは、ウェブサイト上にセルフサービスによる払い戻し機能を加えたが、大量の要求に対応できておらず、イギリスの民間航空局(CAA)から批判を浴びている。今冬のホテルの支払いでも、75%が延期されており、サプライヤーとの関係は悪化しているという。

TUIは、イギリスでの166店舗の閉鎖やデジタル化の加速などで年間3億ユーロ(約379億円)のコスト削減を目指しているが、2020年第3四半期(2019年10月1日~2020年6月30日)終了時点で、収益は前年比98%減の約7500万ユーロ(約95億円)に落ち込み、EBITは4月~6月の四半期だけで11億ユーロ(約1388億円)の損失を計上、第3四半期累計では20億ユーロ(約2524億円)の損失に達した。

※ユーロ円換算は1ユーロ126円でトラベルボイス編集部が算出