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HIS、子会社のGoTo不正問題を受けて、ガバナンス改善を策定、子会社管理や内部監査を強化

エイチ・アイ・エス(HIS)は、子会社ジャパンホリデートラベルとミキ・ツーリストによるGo Toトラベル不正受給問題について、調査委員会からの提言を踏まえて、組織運営上における問題発生の原因の特定および再発防止に向けたガバナンス改善を策定。2022年1月18日に観光庁へ提出し、その要旨を公表した。

まず、同社リスク・コンプライアンス委員会の活動を通じて、グループのコンプライアンス施策の実施、コンプライアンス意識の向上を図る。事務局としてのリスク管理室は、子会社役職員がコンプライアンス違反が疑われる事案に遭遇した際の報告・相談窓口として機能。また、経営トップがコンプライアンス遵守を発信するとともに、GoToトラベル事業の趣旨の再確認を含むコンプライアンス研修を実施するほか、グループ各社のマネジメント層との面談を実施する。

各社取締役会による監督機能も強化。十分な検討時間や事前の情報共有、事後の進捗報告等により取締役会の審議の実質化・充実化を進め、子会社についての任命要否を再検討するとともに、現在の任命役職員の定期的な見直しを行う。

関係会社管理規程を見直して一定金額以上の経常的取引についても報告義務を課すほか、事前承認・報告ルールの周知徹底および事後チェックを通じて運用状況を改善することで、親会社による子会社管理の強化する。

内部監査については、ITを活用したリスク分析の強化、監査部門の人員補充を含めた監査体制の強化並びに助成金受給に関する項目追加など監査項目の見直しを検討。

このほか、内部通報制度をグループ横断型の制度として、定期的に制度の周知を図り、グループ各社経営層に対する定期的なアンケートを通じてコンプライアンス意識の浸透や不正発生への抑止力を高めていく。