観光庁が発表した主要旅行業者49社の旅行取扱状況速報によると、2016年1月の総取扱額は前年比2.5%増の4255億8034万円。海外旅行は同8.1%減の1270億4924万円、外国人旅行は同40.5%増の101億2027万円、国内旅行は同6.9%増の2884億1084万円となった。前月63.3%増の大幅な伸びを見せた外国人旅行が4割増に落ち着いた一方、国内旅行は前月(4.5%増)からやや上向く結果となっている。
海外旅行の取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTB、H.I.S.、阪急交通社、KNT-CT、日本旅行)すべてが前年比マイナスを記録。昨年11月以降、200億円台を維持しているのはJTBとH.I.S.のみとなっている。
外国人による訪日旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTB、H.I.S.、日本旅行、KNT-CT、楽天)のうち、前年比55.9%増となったH.I.S.が日本旅行を抑えて2015年7月以来6か月ぶりに2位に浮上。楽天は92.8%増と好調で5位を維持した。
国内旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTB、楽天、KNT-CT、日本旅行、ANAセールス)のうち、2位となった楽天は2015年4月以降10か月連続で2桁増を記録している。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
旅行商品ブランド(募集型企画旅行)では、2016年1月の総取扱額は前年比2.9%減の1061億6312万円、取扱人数合計は同1.3%減の258万4838人となり、3か月連続でマイナス遷移となった。
海外旅行は取扱額が前年比11.5%減の405億9538万円で、前月の16.2%減よりやや持ち直したものの2桁減で継続。取扱人数は前年比5.2%減の23万7113人となった。外国人旅行の取扱額は同11.0%増の4億2786万円、取扱人数は同49.0%増の2万5105人。国内旅行の取扱額は同3.2%増の651億3987万円、取扱人数は同1.3%減の232万2620人となっている。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、海外旅行は円安などの影響により需要落ち込みがみられ、欧州方面を中心として全体的に対前年割れで低調。外国人旅行では東アジアやビザ要件緩和があった東南アジアからの訪日旅行者が好調で、LCCを中心とする航空便の増加も好要因となった。国内旅行は、テーマパークの人気アトラクションが関西方面に好影響を与えたほか、北陸方面も継続して好調。さらに、東北方面でのキャンペーンも功を奏したとしている。