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日本入国前のPCR検査免除の初日、サイパンから帰国した記者が体験した入国手続きとは?

2022年9月7日から新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和され、ワクチンの3回目接種を条件に、入国前72時間以内の陰性証明の提示が免除された。その当日、ユナイテッド航空のサイパン/成田便に搭乗。早朝7時に現地を出発し、成田には9時過ぎに到着した。緩和初日だけに、スムーズに出国・入国ができるのかどうか心配だったが、それは杞憂に終わった。

MySOSはどう変わる?

まずは日本帰国前の手続きを振り返る。

現地出発前日の6日に、海外から日本への入国者に対して行われる空港検疫手続きを入国前を登録できる「MySOS(入国者健康居所確認アプリ)」に必要書類をアップロードした。従来通り、質問票、誓約書を記入し、ワクチン接種証明書を登録。筆者は、ワクチンを3回接種済みで陰性証明不要のため「出国72時間以内の陰性証明の欄」は放置した。すると、しばらくして画面は「審査中」の黄色に変わった。

実際の登録画面。ワクチン証明書または陰性証明のどちらかを登録。翌日、緩和開始日の0時を過ぎて、再度をMySOSをチェックしてみると、ステータスは「審査完了」の青に変わっていた。画面には「ワクチン接種証明書の審査は日本への入国予定日2週間以内の方を優先して行います。入国予定日の近い方から順番に審査を行いますので、審査完了までに時間を要する場合がございます」との注意書き。いずれにせよ、日本到着時間6時間前までの登録は引き続き必須だ。

審査完了の画面同行者の中には、ワクチン接種2回のみの人もいたが、その人については、従来通り、PCR検査を受けて陰性証明をアップロード、審査が完了すれば、青に変わる。当然ながら、陽性となれば、これまで通り帰国は困難となる。

出国と入国の対応は?

次に、初日の空港での様子について。

サイパン空港のユナイテッド航空のチェックインカウンターのスタッフは、この日から日本が水際対策が緩和されるという情報を共有していたようだ。MySOSを提示するが、ワクチン接種証明書のみの人、PCR検査の陰性証明が必要な人も、審査が完了していれば、画面は青のため、確認に区別はなかった。

サイパンの場合、飛行時間が約3時間半のため、出発時にMySOSの登録を完了しても、日本到着時間6時間以内の適用外になってしまう。同行者の一人は、その勘違いのために、チェックイン時のステータスは赤のままだったが、カウンターで紙のワクチン接種証明書(海外用)を提示すると、問題なくチェックインできた。

成田に到着すると、MySOS審査の動線では、「青」の人とそれ以外の人とに別れる。「青」の人は、受付ブースでQRをコードをスキャンし、パスポートを照合するだけ。到着時に唾液による抗原検査が実施された時期のような混乱はなく、待機する人もいない。流れはスムーズだが、成田の場合は、羽田とは異なり、その動線が長く、入国審査場まで随分と歩くことになる。

MySOSが「赤」だった同行者が、どういった手続きで審査を受けたのかは定かではないが、税関検査場で会うことができたので、それほど煩雑な手続きは求められなかった様子だ。

入国者上限の引き上げで空港にも活気

9月7日は、1日当たりの入国者数の上限が2万人から5万人に引き上げられた日でもある。UA824便の到着とほぼ同じ時間帯に第1ターミナルにはウィーンからのオーストリア航空、シンガポールからのスクートが到着。各ゲートからは日本人旅行者や現地からと思われる旅行者も降りてきた。「意外に多い」というのが印象だ。

入国前のPCR検査の免除で、日本人旅行者の海外旅行は随分とハードルが下がった。外国人旅行者にとっては、ビザ取得や個人旅行解禁のハードルが残るが、これまで開店休業状態だった空港に少しだけだが活気が戻ってきたように感じた。

トラベルジャーナリスト 山田友樹

厚生労働省・入国者健康確認センター日本へ入国・帰国する皆様へ