「くまモン」の経済効果、2年間で1244億円、観光客増は19万人

昨今の「ゆるキャラブーム」のなかでも絶大な人気を誇る熊本県のPRキャラクター「くまモン」だが、この愛らしいキャラが過去2年間に熊本県にもたらした経済波及効果は、推計で1244億円に及ぶことが分かった。

日本銀行熊本支店がこのほど発表した調査結果で、調査対象期間は、くまモンが「ゆるキャラグランプリ 2011」で優勝した2011年11月から2013年10月までの2年間。くまモン利用商品の売上げ額を1250億円、くまモンによる観光客の増加数を18.8万人と推計し、これを熊本県の産業連関表を用いてはじきだした。また、同時期における新聞やテレビにパブリシティ効果は、90億円と見積もっている。


くまモンによって増加した観光客数については、県内観光地でくまモンの三次元画像を取り込んだ写真撮影ができるアプリケーション(「くまフォト」)のダウンロード数14.3万人と、2013年3月に開催された「くまモン誕生祭」の来場客数4.5万人がこれに当たるものとみなした。この数字から、熊本県観光統計表に基づき県内観光消費の増加額を推計したうえで、熊本県産業連関表を用いて県への経済波及効果を試算した結果、2012年分が4億円、2013年1~10月が8億円、合計12億円となった。

パブリシティ効果については、テレビが放送時間127時間、放送回数1593回で計80億円、新聞は面積31㎡、記事掲載回数2265回で10億円の効果を見積もった。全国ネットのテレビ放送や全国紙記事を中心に、2012年秋以降露出が増加したようだ。

調査では、経済効果の規模や影響度、費用対効果等の観点から見て相当大きいものと評価できるとし、今後については「くまモンのブランド価値の向上と維持、くまモンと熊本との関連性の強化、これまでの成果を持続させるための体制・仕組みづくりが課題」と指摘している。

くまモンによる2012年分の経済波及効果である508億円を他府県におけるNHK大河ドラマなどの経済波及効果と比べると、それらの平均値を大幅に上回っており、最も大きい「龍馬伝」の効果(高知県、535 億円)に近い規模となっている。

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