日本政府観光局(JNTO)は2013年の訪日外客数を、前年比24.0%増の1036万4000人(推計値)と発表した。円安是正による旅行費用の割安感の浸透、東南アジア諸国に対するビザ緩和措置、LCCなど新規就航による航空座席量の増加、VJ事業の継続的な訪日プロモーションなどの効果で、これまでの最高だった2010年の861万1000人を175万3000人も上回る結果となった。
なかでも、JNTOの重点市場のうち、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、オーストラリア、フランスの10市場で、年間の過去最高記録を更新。特に東南アジアはビザ緩和の効果が高く、6市場合計で100万人を超える市場となった。市場別ではタイは74.0%増の45万3600万人となったほか、香港は54.8%増の74万5800人、台湾は50.8%増の221万800人と、伸び率だけでなく実数も大きなボリュームを占めるようになってきている。
一方、最大市場の韓国は20.2%増の245万6100人で、2007年の260万694人に次ぐ過去2番目の数値となった。ただし、原発の汚染水問題の報道の影響により、夏以降に失速し、下半期は4.3%増にとどまった。
また中国は7.8%減の134万4500万人で、重点市場で唯一、前年割れとなった。昨年9月の尖閣諸島国有化以降、両国関係の冷え込みで訪日客数が落ち込み、2012年10月から2013年8月までに平均28%減の減少が続いた。9月以降は、前年の減少の反動もあり高いプラス推移となっているが、日本に対する忌避感の減少と継続してきたプロモーション効果で、訪日客数が戻りつつあるという。
なお、12月単月の訪日外客数は、25.4%増の86万4600人。韓国は8.6%減の18万2800人と前年を下回ったほかは、前年を上回った。中国も84.8%増の9万6700人で、9月~12月の4か月で、過去最高を記録した。