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ホテルオークラはこのほど、2019年に向けて計画中の「ホテルオークラ東京」本館建て替えにともない、旧本館から新本館ロビーに移設される設計・デザインを一部発表した。
新本館建て替えでは、最新の設備や機能に対応すると同時に、同ホテルが培ってきた「日本の伝統美」を継承していくことが前提となっている。設計チームには、旧本館を手掛けた谷口吉郎氏の子息である谷口吉生氏を起用し、内装や装飾などもできる限り旧本館のデザインを再現する方針だ。
今回発表されたのは、新本館のロビーのデザイン。同ホテルのシンボルともいわれる切子玉型の照明具「オークラ・ランターン」や、輪島の漆仕上げのテーブルを中心に満開の花に見立てた「梅の花のテーブルと椅子」、旧本館設計者谷口吉郎氏が考案した六大陸各都市の時刻を表示する「世界時計」などは、旧本館のものが再利用されるという。
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オークラ ホテルズ & リゾーツ 報道資料より
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また、人間国宝・富本憲吉氏のデザインを純絹のつづれ織りで表現した「四弁花紋様の装飾」、館内随所でみられる「麻の葉紋の木組み格子」などは、再利用が不可能なため、新たに製作される予定。ほかにも「メザニン」(中二階)や天井のデザインなども新本館で再現される見通しとなっている。
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なお、新設される本館ロビーの面積は、旧本館ロビーよりも2割程度広くなる予定という。