2016年9月23日、マリオット・インターナショナルによるスターウッドホテル&リゾートの買収手続きが完了した。これによりマリオットは、30のホテルブランドをもち、110か国で5700軒のホテル・110万の客室を擁する世界最大のホテルチェーンとなった。
これを受け、マリオットは同日付で、会員向けロイヤルティプログラムなどに関する今後の展開に関する方針を発表している。グループ傘下の3つの会員プログラム「マリオット・リワーズ」「リッツカールトン・リワーズ」、スターウッドの「SPG(スターウッド・プリファード・ゲスト)」のアカウントは今後も当面個別に運営されるが、相互連携が可能となる方針だ。2016年9月24日現在、"2018年初旬まではそれぞれが個別プログラムとして運営される予定"としている。
具体的には「ステータスマッチ」の操作を通じて、それぞれのアカウントを連携。その後は双方のプログラムを横断的に利用できるステータスが与えられるほか、ポイントの相互交換も可能となる。ポイントの交換率は3:1。マリオットリワードポイントやリッツカールトンリワード「3ポイント」が「1SPGスターポイント」に交換できる。なお、アカウント連携の手続きは自動的にはおこなわれない。会員自身がウェブサイトから手続きをおこなう必要があるため注意が必要だ。最新情報は、マリオットの会員向け日本語サイトでも解説をおこなっている。
また、それぞれのブランドが提供する食事やエンターテインメント、イベント体験プログラム「マリオット・リワード・エクスペリエンス・マーケットプレイス(Marriott Rewards Experiences Marketplace)」や「SPGモーメンツ(SPG Moments)」でのポイント相互利用も可能。そのほか、マリオット会員向けアプリのモバイルチェックイン/チェックアウトやモバイル経由のリクエスト機能はこれまで通りに利用可能。SPGモバイルアプリを使ったキーレスチェックインも引き続き利用できる。
AP通信の独自インタビューでは、マリオットのCEOアルネ・ソレンソン氏は「今回の統合により、我々はかつてないほど多くの"選択肢"を顧客に提供できるようになった」とコメント。旅行にいく場所やホテルの種類だけでなく、顧客が滞在中に求めるさまざまな要望に対応できる可能性を手に入れたことを強調している。
なお、マリオットは2016年10月14日に米ニューヨークシティのロックフェラーセンターにて、両社の統合完了を記念する大規模イベント「グローバル・トラベル・デイ(Global Travel Day)」を開催予定。同時に、会員に向けたSNS投稿キャンペーンも実施する。ロイヤルティプログラム会員がツイッターやインスタグラムなどSNSで行きたい旅行先をシェアすることで、30種類用意される旅行パッケージが当たる内容だ。