コンサルティング会社のヘンリー&パートナーズは、2017年版の「ビザ(査証)規制インデックス」国別ランキングを発表した。国籍により、世界各国への入国に課される査証制限をもとに、海外渡航の自由度を指標化したもの。それによると、ビザなしで入国できる「パスポートの自由度」1位は昨年に続きドイツ。日本は昨年と同じ5位だった。
ビザなしで入国できるパスポート自由度トップ10は以下のとおり。
ビザ制限インデックス順位トップ10
- 1位 ドイツ
- 2位 スウェーデン
- 3位 デンマーク
- 3位 フィンランド
- 3位 イタリア
- 3位 スペイン
- 3位 米国
- 4位 オーストリア
- 4位 ベルギー
- 4位 フランス
- 4位 ルクセンブルグ
- 4位 オランダ
- 4位 ノルウェイ
- 4位 シンガポール
- 4位 英国
- 5位 アイルランド
- 5位 日本
- 5位 ニュージーランド
- 6位 カナダ
- 6位 ギリシャ
- 6位 ポルトガル
- 6位 スイス
- 7位 オーストラリア
- 7位 韓国
- 8位 アイスランド
- 9位 チェコ
- 10位 ハンガリー
- 10位 マルタ
このインデックスは、ヘンリー社がIATA(国際航空運輸協会)の協力を得て、IATAが保有する旅行情報データベースを活用して作成している。
渡航自由度ランキング一位のドイツは、ビザなし入国が認められている国が前年より一つ減少したものの、計176カ国となり最多。4年連続の一位となった。
2位も昨年と同じくスウェーデンで、同175カ国。3位はデンマーク、フィンランド、イタリア、スペイン、米国で、いずれも計174か国にビザなし入国が認められている。
上位層ながらランクを落としているのは英国。2013年から2015年までは「3年連続の一位」に君臨していたが、昨年は3位、今回はさらに下がって4位となった。
一方、ランキングの最下位層は、シリア、パキスタン、イラク、アフガニスタンが並び、いずれの国もビザなし入国が可能な渡航先は30カ国に届かなかった。ソマリアが昨年より順位を上げ、同渡航先が30カ国に増える一方で、シリアが29か国に減少するなど若干の変化も見られた。
今回のランキングでは、計48か国がランクを下げる一方、昨年と同じだった国は42か国。トップ10位の顔ぶれは昨年と同じだったが、今後については、地政学および政治的な影響により、大きなランキング変動も予想されるとしている。同社のクリスチャン・カリン(Kälin)会長は「英国のEU離脱と米トランプ政権」を2つの要因として挙げ、自由な渡航を制限する潮流を指摘している。
そのほか、昨年と比較して最も大きくランクが変動した国はペルーとガーナ。ペルーは15ランク上昇。一方、ガーナは4ランク下落となった。新興勢力BRICSの動きは明暗が分かれた。ブラジルは3ランク、中国は2ランクの上昇となったが、ロシアは3ランク下落。インドも2ランク、南アフリカは1ランク下落した。