東京商工リサーチによると、函館市の温泉旅館「竹葉新葉亭」の旧運営者の株式会社湯ノ川が、2017年3月21日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約3億円。
同社が「竹葉新葉亭」を創業したのは1949年のこと。老舗高級旅館として函館を代表する知名度をもち、ピークとなる1999年には約7億1000万円の売上高を計上していた。しかしその後、消費低迷など複数要因の影響を受け、客単価の低下や顧客離れが表面化。売上の低下とともに過去の設備投資による借入金の返済が大きな負担となった。
そのようななか、北海道拓殖銀行の経営破たんにより、金融債務を整理回収機構に移管。2008年には「北海道中小企業再生支援協議会再生プログラム」を活用した出資や金融債務の減免などを受けたものの、その後もリーマンショックや東日本大震災の影響などが続き、複数回にわたる再建計画がとん挫。2016年に会社分割により竹葉新葉亭株式会社を設立して大半の事業を同社に移管し、同社は株式会社湯ノ川に商号を変更。今回の措置に至った。
なお、温泉旅館「竹葉新葉亭」は新会社により営業を継続している。