東京商工リサーチによると、石川県粟津温泉の温泉旅館「喜多八」の旧経営会社・喜多八が2017年7月20日までに事業を停止し、破産手続きを開始した。負債総額は約10億円。
同社は1954年の創業。平成に入ってからテレビコマーシャルを通じて知名度を向上し、1996年には売上高約8億4000万円を計上していた。しかしその後、個人消費の停滞や団体客の減少、粟津温泉自体の集客力低下などにより業績が悪化。2015年6月期の売上高は約2億5000万円までに落ち込み、過去の赤字により債務超過に。設備投資負債など多額の金融負債のため資金繰りがひっ迫していた。
その後、2016年には北陸新幹線開業による特需で減収に歯止めがかかったが、財務体質を改善するまでには至らず。2017年6月に入り、先行きの見通しが立たず今回の措置となった。
なお、旅館の不動産と経営権は6月8日までに他社に売却。営業は継続されている。