日本経済団体連合会(経団連)は先ごろ、情報・デジタル分野の関連施策を一元的に扱う「情報経済社会省(デジタル省)」の創設などを含む提言を発表した。
「デジタルエコノミー推進に向けた統合的な国際戦略の確立を」と題した提言内では、政府として同分野の戦略が統一されていない現状を指摘。急速に進んだデジタル化で分野の垣根がなくなりつつあるが、類似の関連施策が統合されないまま、それぞれのプライオリティに基づいて実施されている。
そのためデジタル省では、現在各府省に散在する情報通信やデジタルエコノミー等の関連施策を所管し、標準化や国際展開施策を迅速に進める組織とする。あわせて、同省が知的財産やデジタル外交、地方自治体を含む政府業務のデジタル化、他省庁の所管分野のデジタル化支援も進めることも期待。官民のマルチステークホルダーの連携のもと、一体となって施策を推進できる体制を整備することが必要とする。
また、経団連では、各府省庁でそれぞれに関連施策が行なわれている現状では、国際的な政策でも対外的な窓口や役割が不明瞭であることにも言及。G7の情報通信関係の大臣会合で、総務省と経済産業省の2つの省から代表者が出席したのは日本だけだといい、同分野における日本の遅れを示し、早急な体制整備を促した。