「アマゾン効果」は旅行価格の低下をもたらすのか? ネット消費拡大の影響を分析するレポート発表 ―みずほ総研

みずほ総合研究所はこのほど、BtoCのEC市場に関する調査レポート「EC市場の光と影」を発表した。省庁や日銀が発表した各種調査などをもとに、ネット経由の支出が消費者物価に与える影響を推計したもの。

経済産業省によれば、2017年のEC市場規模は16.5兆円、EC化率(あらゆる商取引の合計に対するEC規模の割合)は6%でいずれも年々増加傾向を示している。また総務省の統計では、家計消費に占めるネット利用支出は4%(2018年1~4月平均)で、これも上昇傾向となっている。

一方、今回のみずほ総研の分析では、ネット通販の浸透で消費者が価格を自由に比較しやすくなる、いわゆる「アマゾン効果(Amazon Effect)」に言及。「様々な商品を比較しやすい」「価格を比較できる」といった理由で、旅行商品購入を含めECを利用する割合が4割以上存在することに加え、この現象が消費者物価指数(CPI)に対する「下押し」圧力になると説明している。

具体的には、食料や家具・家事用品、衣類・履物、書籍といった消費財のほか、旅行関係費(宿泊費・パック旅行費)などのサービス価格について、ネット支出割合の上昇が物価に与える影響を推計。その結果、旅行関係費ではネット支出割合における「前年比1%上昇」が消費者物価を「0.1%押し下げる」結果に。また、家具・家事用品、衣類履物では価格を「0.2%押し下げる」と確認された。人件費や原材料費の増加が本来は価格上昇にすぐつながるべきところ、アマゾン効果の影響で、価格転嫁のテンポが緩和される状況にあるとしている。

みずほ総研:発表資料より

なお、同レポートでは、EC市場やネット消費の拡大に伴う今後の需要の傾向もまとめている。

例えば、高齢世帯では利用頻度は少ないものの、消費額は他の年代層と同等であることを指摘。今後、65歳以上の世帯でネット注文利用割合が若年層並み(6割弱)まで拡大すれば、65歳以上の根と消費額は約3倍に増加する可能性があると分析している。また、高齢者にも利用しやすいデジタル機器の普及と同時に、新しい健康商品やテーマ型旅行サービスなどを「おすすめ」してくれるAI技術の向上が、消費のすそ野を広げる要因になりうるとしている。

みずほ総研:発表資料より

みずほ総研の詳細レポートは以下から参照できる。


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