世界で出張減少の動きは定着していくのか? 出張禁止やゼロベースでの予算組みも、大手ITコンサルティング会社の事例から【外電】

米観光産業ニュース「スキフト」は、今後の出張旅行について、大手ITコンサルティング会社「キャップジェミニ」と「コグニザント」の取り組みをリポートしている。

両社の出張管理担当者とも、過去18ヶ月、パンデミックで移動が制限されたにもかかわらず、ビジネスは順調に成長した。そのため、両社は従業員の出張を正当化するのは難しくなるだろうという見解を示している。両社が出張を控えることになると、航空会社やホテルにとっては大きな痛手になるだろう。

コグニザント社の従業員は約30万人。出張のための航空券だけで、年間2億5000万ドル(約275億円)を使っていた。キャップジェミニ社の従業員は25万人で、そのうち毎年8万人が出張に出かけ、その費用は計約6億ドル(約660億円)にのぼる。

その額は、アマゾンが昨年10月に明らかにした約10億ドル(約1100億円)の出張経費削減と比較すると少ないが、それでも2社だけで、その額が失われるとなると、旅行業界にとっては大きなことだ。

コグニザント社は、今年の残りの期間、すでに国境が再開された国も多く出てきたが、出張禁止を継続することを決めた。担当者のドリュー・ミッチェル氏は「弊社の営業チームとクライアントチームは、バーチャルプレゼンテーションで大きな成果を上げてきた。それを継続していく」と話している。

同社は、パンデミックのなか、社内会議で承認された出張のみを許可していたが、来年からは予算を考慮した事前承認制度を導入するという。

キャップジェミニ社は、同社の持続可能計画に基づいて、出張予算の上限を決める意向だ。同社出張管理担当のキャサリナ・ナバロ氏は「デジタルで多くのことができ、新しい顧客を獲得できたことに私たちは少し驚いている。来年はゼロベースで出張予算を組んでいく」と話し、同社CEOは、その上限を2019年の50%にする考えを持っていることを明かした。

また、ナバロ氏は、出張が許可されるためには、1回限りの会議ではなく、いくつかの目的を組み合わせることが必要になるだろうと続けた。

※ドル円換算は1ドル110円でトラベルボイス編集部が算出

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Global Consulting Firms Project They Will Save Almost $1 Billion by Cutting Corp Travel in 2022

著者:マシュー・パーソンズ(Matthew Parsons)、Skift

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