香港政府観光局、日本市場向けマーケティング計画を発表、水際対策緩和とともにキャンペーン展開へ

香港政府観光局が、今後の日本市場向けマーケティングプランを発表した。香港ではコロナ禍の中でも新しい美術館がオープンしたほか、人気のピークトラムがリニューアル。水際対策の緩和を見すえ、本格的なプロモーションを展開していく考えだ。3年ぶりに都内で開催したセミナーには、旅行会社、航空会社などから約70名が参加した。香港観光局日本局長の堀和典氏は「オーバーツーリズムにならないサステナブルなツーリズムを目指す」と意気込んだ。

新たな美術館オープン、ピークトラムもリニューアル

香港政府観光局によると、新たな観光スポットとして、西九龍(ウエスト・カオルーン)文化地区には、メガ・ミュージアムが2館誕生した。2021年11月にオープンし日本でも話題になっているヴィジュアル・カルチャーに特化した美術館「M+」、また今年7月にオープンしたのが「故宮博物館」だ。故宮博物館には北京の故宮博物院から貸し出された900点以上の美術品や中国陶磁器のコレクションが展示されており、世界レベルの美術館としてアートファンにアピールしていく。

西九龍(ウエスト・カオルーン)文化地区:香港政府観光局 提供

街中では、植民地時代の建物のリニューアルオープンが続いており、2021年8月には、従来のCentral Market (中環街市)が、生鮮食品の市場からおしゃれなショッピングモールとして生まれ変わった。また、人気のピークトラムも新型車両を導入し、駅舎を大リニューアル。待ち時間が70%削減されるという。

香港ディズニーランドでは、パーク中央の城に20分のプロジェクションマッピングで、香港らしくカラフルでにぎやかにキャラクターを映し出すナイトショーがスタートし、香港島南のオーシャンパークには2021年9月に新しいテーマパーク「Water World」も開業した。

ホテルの数も増加。新規開店のレストランは3000軒を数え、日本人になじみの深い水上レストラン「ジャンボ」は営業停止したものの、総じて香港のレストランは活気がありミシュランなどの世界的ランキングでも上位に入り続けている。

水際対策緩和とともにキャンペーン開始

もっとも、現時点では入国後3日は政府指定のホテルで自費隔離、その後4日間自分の予約したホテルや自宅で隔離という7日間のお隔離が必要で、観光旅行は現実的ではない。香港政府観光局は、隔離が0日となるタイミングの販促活動本格化を目指している。

具体的には、隔離が廃止された段階で、航空便や1日当たりの入国制限はあったとしても、「香港に制限なく行けるようになった」ことを告知する「Hello香港」キャンペーンを展開する計画だ。航空便や入国人数などすべての制限がなくなった段階で、旅行者増を見据えて、宣伝・販促の行動を促す「オファー」である「Hello香港2」を予定。現地で使える「オファー」として電子クーポンの配布を計画しているという。

訴求する観光素材は、「新しいアングルのハーバービュー」、「アートと文化」、「食」、「都会のオアシス」、「新体験」の5テーマ。SNS、インフルエンサー、香港スーパーファン、ファムツアーなどを通してプロモーションしていく。

今秋は3年ぶりに実施されることになった香港名物の7人制ラグビー大会香港セブンズをはじめ、ジェエリーショーなどの展示会も続々と予定されており、一日も早い規制緩和が期待されている。

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