エクスペディアは、同社グループのプラットフォーム上での日本の旅行予約動向を明らかにした。2023年第3四半期(7~9月)のインバンドによる宿泊予約件数は2022年同期比で310%の伸び。2022年秋の水際対策緩和、円安が影響して需要は大きく拡大した。
予約件数ランキングを国別にみるとトップが米国。韓国、香港、台湾、カナダ、オーストラリア、シンガポール、イギリス、フランス、タイと続いた。日本政府観光局が発表する実際の国籍別の訪日客数の傾向とは異なり、欧米市場に強い傾向が顕著となった。
また、客室平均単価ランキングでもトップは米国。オーストラリア、シンガポール、イギリス、フランス、カナダ、韓国、台湾、香港が続いた。滞在の長期化傾向もあり、特に上位の欧米各国は、アジア各国の平均と比較して2.5~3倍長くなる傾向があるという。
同期間、東京での人気宿泊エリアを予約件数でみるとトップ10カ国中8カ国で新宿が1位に。同社では、新宿が人気の傾向は近年顕著であるとしたうえで、その要因として「好アクセス」「豊富な宿泊施設」「自然、ショッピング、グルメ」などを挙げ、街としてのバランスの良さがあるとみている。
新宿が1位とならなかったのは、台湾とタイ。台湾は浅草、タイは上野がトップとなり、他8か国との傾向が違った。
日本人の海外旅行、伸びは緩やか
同じく、同プラットフォーム上でのアウトバウンド(日本人の海外旅行)は、2023年第3四半期の予約件数でみると2022年同期比で70%の伸び。2022年秋の水際対策の緩和以降、需要の伸びは「緩やか」で海外リピーターから需要が戻っているという。
海外旅行先の予約件数ランキングではトップがソウル。バンコク、台北、パリ、シンガポール、ロサンゼルス、ロンドン、ホノルル、ホーチミン、韓国(ソウル以外)が続いた。近場のアジア圏の人気が高く、コロナ後の久しぶりの旅行として、行き慣れた場所への再訪する旅行者が多いとみている。
また、4~6月と7~9月の予約数の比較では、上昇率が高いのがグアム(40%増)、シドニー(25%増)、ハノイ(25%増)、ジャカルタ(25%増)、香港(25%増)。同社では、フライトが増便されたことが要因とみている。
年末年始の海外旅行先でも検索件数トップ10は、台北、ホノルル、ソウル、バンコク、台湾(台北以外)、シンガポール、グアム、パリ、バリ島、プーケットとなった。