世界の海外旅行者数、2024年第1四半期はコロナ前水準に回復、アジア太平洋は82%、中東が急成長

国連世界観光機関(UNWTO)は、2024年第1四半期の世界の海外旅行者数が前年同期比20%増の約2億8500万人となり、2019年同期の97%まで回復したことを明らかにした。UNWTOでは、2024年は最終的に2019年を2%上回ると見込んでいる。

地域別に見ると、アジア太平洋の海外旅行者数が2023年は2019年比65%にとどまっていたものの、2024年第1四半期では82%まで回復した。

最も成長率が高いのは中東地域。2024年第1四半期ではすでに2019年同期の水準を36%上回り、急速に回復した2023年同期比でも4%増となった。

欧州も2024年第1四半期は2019年同期比1%増。約1億2000万人の海外旅行者が訪れた。また、南北アメリカは同1%減とほぼパンデミック前に回復した。

国別では、2019年比で最も海外旅行者が増えたのはカタールで177%増。サウジアラビアも98%増となった。

世界の観光収入はパンデミック前水準に

2023年の世界の観光収入は約1兆5000億ドル(約233兆円)。名目ではパンデミック前の水準に回復し、インフレ調整後の実質でも97%まで回復した。観光業の直接GDPはパンデミック前の水準に回復し、推定3.3兆米ドル(約512兆円)。これは世界のGDPの3%に相当する。

地域別で見ると、アジア太平洋は2019年比で78%だが、旅行者数が65%の回復にとどまったことを考慮すると、大きな伸びとなった。欧州は、パンデミック前の水準を実質7%上回り6600億ドル(約102兆円)に達した。

UNWTOでは、旺盛な需要、航空ネットワークの強化、中国やその他の主要なアジア市場の継続的な回復を背景に、2024年に完全に回復すると予想するも、世界的なインフレなどの経済的要因や地政学的リスクは引き続き懸念材料として残ると指摘している。

※ドル円換算は1ドル155円でトラベルボイス編集部が算出

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