エアビーCEO、今、世界で一番注目しているのは「日本」、民泊以外の旅行事業に意欲、長期滞在の強化も

エアビーアンドビー(Airbnb)の共同創業者兼CEOのブライアン・チェスキー氏は、ニューヨークで開催された「2024 Skift Global Forum」で、現在のメインの事業となる短期宿泊レンタル(STR:short-term rental/民泊)だけでなく、長期滞在を含む旅行領域にも事業を拡大していく考えを示した。

チェスキー氏は「Airbnbは宿泊だけでなく、もっと多くのものを提供していく。それが会社の未来だ。Airbnbのモデルをさまざまなカテゴリーに展開していくつもりだ」と話した。さらに、「毎年、本格的な事業を2~3件、立ち上げる。今が拡大の時」と述べ、同社が新たなステージに発展していくタイミングであることを示した。

一例として、2024年10月にはホストと不動産管理会社を仲介する新事業を立ち上げる。また、2025年5月に発表予定の事業では、「体験」(アクティビティ)事業の拡大のほか、他の新事業も視野に入れている。

チェスキー氏によると、今後注目するのは「長期滞在」。同社リスティングの滞在の17%が30日以上で、パンデミック前の水準を数パーセント上回っているという。「30日から90日の滞在、これはAirbnbにとって大きな成長のチャンス」と続けた。

エアビーCEOブライアン・チェスキー氏

Airbnbは、「体験」(アクティビティ)の新規プログラムの受付を一時停止していたが、最近になって、プロバイダーからの受付を再開している。

チェスキー氏は、「我々はもっとユニークな体験を作るつもりだ。それは、マス観光と考えられるものよりも、より地元に密着し、さらに本物の体験になる。しかし、一方で、象徴的なランドマークを見たい人のニーズにも応えていく」と明かした。

また、世界各地で民泊の規制が厳しくなっているなか、その一例としてニューヨーク市の現状を紹介。同市では民泊に厳しい規制をかけた結果、ホテルの価格は上昇し、住民向けの賃貸市場も値上がりするなど大きな影響がでたことも指摘した。

セッションの終盤、ステージで聞き手役をおこなったスキフトCEOラファット・アリ氏はエアビーのビジネスで「今後、もっとも注目する地域はどこか?」と質問。それに対して、チェスキー氏は迷うことなく「ジャパン(日本)」と回答した。今後の日本でのサービス展開に注目だ。

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