国際金融情報センターはこのほど、トピックとして中国人観光客の台湾、香港での消費傾向を発表した。
これによると近年、台湾や香港を訪れる中国人観光客が急増。2012年の中国人観光客数は、台湾は45.6%増の259万人、シェア65.4%。香港(1月~11月)は前年同期比24.4%増の3143万人と年々、大幅に増加している。
ただし、消費傾向は台湾と香港で異なる。台湾の場合、中国人の主な訪問目的は観光で、消費額(2012年1月~6月)は415億台湾ドル。これは、台湾の個人消費(4兆1706億台湾ドル)の1%に満たない結果となった。一部報道によると、台湾での中国人観光客1人あたりの平均消費額は、1万1000人民元(約14万円)だという。今のところ中国人観光客の消費による経済効果は大きいといえないものの、先々の観光客数の増加が見込まれていることから、台湾ではホテルやレストラン、ブランド店の新規開業が続いている。
香港での消費額は2011年、4057億香港ドルとなり、香港の個人消費(1兆2321億香港ドル)の3割に達した。香港での中国人観光客1人あたりの平均消費額は8000人民元(約10万円)。訪問の主要目的が高級ブランド品や化粧品などのショッピングとなっていることから、香港での消費効果は台湾よりも、高い結果となってる。ただし2012年は中国の景気減速や、本場の欧州での直接購入の増加を背景に、その勢いは若干弱まっているとの見方もあるという。