観光庁が発表した、訪日外国人消費動向調査(2013年4~6月期)によると、訪日外国人全体の旅行消費額は前年比29.4%増の3132億円となった。期間中の訪日外客数が26.8%増の270万人と大幅に増加したのに伴うもの。前期(2013年1~3月)にマイナス(4.0%減)だった一人当たりの旅行中支出額も、2.1%増の11万6033円とプラスに転化した。
国・地域別の旅行消費額は、台湾が54.9%増の500億2000万円、韓国が58.2%増の429億3000万円、香港が72.4%増の221億4000万円、米国が37.9%増の364億3000万円と、訪日旅行者数に比例して大幅に増加。ただし、国・地域別消費額の1位である中国は18.2%減の558億円で、上位5ヶ国で唯一減少となった。
また、国・地域別の一人当たりの旅行中支出額ではロシア(21万9737円)で最も多く、中国(19万8851円)も2位に浮上する。ただし、1人あたりの旅行中支出額を1泊当たりに限ると、香港(2万1244円)、シンガポール(1万7446円)、オーストラリア(1万6794円)の順になる。
なお、訪日旅行の満足度と再訪意欲だが、全体の92.4%が「満足」以上、92.9%が「(また)来たい」以上を回答。ただし、上位5ヶ国でみると米国が「大変満足」に81.2%が回答しているのに対し、韓国、台湾、香港、中国の東アジアの4ヶ国・地域は「大変満足」が35%未満に停滞し、特に韓国は19.3%と低い。また、再訪意欲では米国は「必ず来たい」が76.2%だが、韓国は35.3%で「来たい」(51.3%)より低くなっており、今後のリピーター対策にはこうした差異にも注意していく必要がありそうだ。
同調査は2013年5月23日~6月23日まで、ビジット・ジャパン事業の重点13市場とインド、ロシアを対象に実施。有効サンプル数は7326。