東京商工リサーチによると、2013年10月の旅行業の倒産件数は前年と同じ3件、負債総額は前年比52.3%増の1億6400万円となった。福岡県、埼玉県、東京都の小規模企業の破産で、いずれも負債総額は1億円未満。また、東日本大震災関連の倒産は0件となった。
旅行業の倒産件数はこのところ低水準で推移しており、東京商工リサーチではアベノミクス効果による需要増加が影響していると見る。また、2013年3月に中小企業金融円滑化法が終了した後も、金融機関が融資に対する基本姿勢を変えていないことが資金調達環境に影響しているとし、倒産が抑えられているとしている。
一方、宿泊業の倒産件数は9件(前年:12件)で、負債総額は56.4%減の24億4500万円。東日本震災関連の倒産は1件で、震災の影響による倒産は少なくなっているという。ただし、倒産した宿泊業者9社のうち8社が倒産形態が破産、1社は特別清算となっており、再建見込みが無い業績不振の厳しい業者が宿泊施設をたたみ、法的な清算手続きを選択しているようだ。主な倒産は、岡山県湯郷地区の老舗温泉旅館(有)湯郷館(岡山県美作市、負債7億4800万円)や、山梨県石和温泉地区の(有)ホテルくにたち(山梨県笛吹市、負債5億円)。