2014年の業務渡航、世界的に価格上昇、アジアで顕著も日本は微減の予測

日本旅行・アメリカンエキスプレスは、世界の出張市場予測「グローバル・ビジネス・トラベル・フォーキャスト2014」で、2014年は各地域で出張価格がわずかに上昇するとの見通しを発表した。LCCの増加や企業の経費削減によるビジネスクラス需要の低下、地域による新規ホテルの不足や供給過多などが、価格動向に影響を及ぼすとしている。特にアジア太平洋(APAC)地域は北米や欧州を上回る価格上昇を見込んでいる。


▼アジア太平洋地域 -中国の成長でホテル・交通で値上がり

アジア太平洋地域の価格上昇の要因は、中国の成長によるもの。同地域内では出張を重視する傾向は変わらず、航空路線は2014年も需要が継続。地域の大半で航空運賃とホテル料金、地上交通機関の全般で値上がりを見込む。ただし、LCC参入による競争激化で、長距離路線の値上げは最小限と指摘。中国国内ではLCCと高速鉄道の勢いが増しており、最高3%の値下がりを予測する。日本においてもLCCの台頭と円安の影響で、航空運賃は横ばい、または微減との予測だ。

オーストラリアでは大半の航空運賃が微増する見込み。国内短距離のビジネスクラス運賃は最高5%、エコノミークラスは最高4%の上昇とする。長距離路線はビジネスクラスが最高4%の上昇とする一方、エコノミークラスは他社との競争で最高5%の値下げを予想。資源ブームの軟化により、今後はレジャー旅行地としての魅力も増すとする。ただし、ホテルは新規開業が少ないため、高い稼働率になるとし、最高6%の値上げを予想する。


▼北米 -料金の値上げと値下げが交差

北米地域では料金の値上げと値下げの両方の傾向が見られる。航空運賃はLCCとの競争や高い失業率、ビジネスクラスでの業務渡航の緊縮により、価格低下を予想。一方、ホテルはニューヨークやトロントなどの出張需要の高い都市では値上がりを見込むが、それ以外の都市では供給過多により、ホテル間の競争が激化する見通しだ。


▼欧州、中東・アフリカ -サプライヤー側の調整で料金は微増

欧州、中東・アフリカでは微増を予測。サプライヤーの調整促進によるもので、航空やホテル、地上交通費の全般で、料金据え置き、もしくは上昇とする。特に鉄道業界のビジネスクラスを導入による競争激化を受けて、航空会社もLCCのビジネスモデルに追従すると指摘する。ホテルは特に中級、上級の両クラスでの値上がりを予想。特にドイツでは比較的大きな価格上昇が見込まれるという。

中東ではアラブ首長国連邦の航空会社が供給量と就航地を増加するとし、これによりビジネスクラスの運賃が低下すると予想する。ただし、ホテルは供給量の増加に関わらず、需要が高く、料金は依然として上昇する見込みだ。


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