プリンセス・クルーズ、2年目の日本発着クルーズ開始、旅行関係者2000名が集結

プリンセスクルーズ(横浜寄港時)

大規模改装の船で日本発着クルーズ、さらなる日本市場拡大へ






プリンセス・クルーズは、2014年4月17日(木)から日本発着2年目となるシーズンを迎えた。4月15日(火)には、ダイヤモンド・プリンセスによる最初のクルーズが横浜港を発つにあたり、日本就航記念式典と、映画「Shallweダンス?」の周防正行監督と主演の草刈民代氏夫妻はじめセレブリティも招いて盛大なレセプションを開催。また、約2000人の旅行会社、観光関連の関係者を招いて1泊2日のスペシャル・プレビュー・クルーズも開催した。

ダイヤモンド・プリンセスは、2004年に三菱重工長崎造船所で建造され、今年で就航10周年。日本市場にアピールするための大規模な改装を経て、日本に里帰りした。今シーズンは、サン・プリンセスと共に、4月から10月まで、横浜、神戸、小樽の3港を母港として合計42本の日本発着クルーズを運航する。コースは5日間から10日間の10コースで、日本国内の20港以上に加え、韓国、台湾、ロシアを訪れる。

ダイヤモンド・プリンセスが今回の改装で日本市場向けに最もアピールしているのは、体験クルーズでも公開された洋上最大級の日本式大浴場「泉の湯」と寿司レストラン「海」。「泉の湯」は屋内の浴場には打たせ湯やミスト・サウナ、屋外にはハイドロセラピーを備え、海や港を眺めながらゆったりと風呂につかることができる(予約制20$)。また、テーブル席とカウンター席を備えた寿司レストラン「海」は、洋上で本格的な寿司を味わえるとあって話題を呼びそうだ(別途料金)。


日本就航記念式典では、プリンセス・クルーズ社長ジョン・スワーツ氏が「今回、ダイヤモンド・プリンセスは、洋上最大級の大浴場とサン・プリンセスで好評を博した寿司レストランを備える。また、4月にアジア地域におけるシニア・ヴァイス・プレジデントとしてアンソニー・カウフマンを任命、マーケティングチームを強化し、日本市場をさらに拡大していく。日本の祭りや温泉を周るなど多彩な寄港地を展開して、日本人客と訪日外国人客にもアピールしていき、2シーズン合計で100億円の地方経済への貢献を目指す。」と挨拶。2015年の同日に発表された、日本発着第3シーズンにも触れ、来年も引き続きダイヤモンド・プリンセスを就航、ショートクルーズを増やし、多様なクルーズを展開していくと述べた。


プリンセス・クルーズの販売および発券、マーケティングを行う(株)カーニバルジャパン代表取締役木島榮子氏は「『Shall we Princess?』 というキャッチフレーズでオードリヘップバーンを起用したブランド展開、また旅行業界向けの教育プログラム「プリンセス・アカデミー」で認知度がアップした。初代スター・プリンセスの名付け親でもあるヘプバーン。2014年日本発着クルーズでは、その処女航海前の特別な祝いのティナーで楽しんだ味を再現した特別メニューをご提供していく」と意気込みを語った。

▼1泊2日体験クルーズで感じられた日本向け対応やサービス

その後の、旅行会社、報道関係者向け1泊2日の体験クルーズでもこの「オードリー・ヘップバーン」特別メニューが提供されたほか、シャンパンタワーや鏡割りのセレモニーや映画、数々のショーなどエンターテイメントが船内で披露され、クルーズの楽しみの幅広さを感じさせた。同社は、クルーズスタイルの拡大戦略として、ハネムーン、研修旅行や卒業旅行、女子旅、父の日・母の日向けプレゼントなどを上げている。こうしたエンターテイメント、カジノ、グルメ、ショッピングそしてプールやスパ、フィットネスなど、船内での楽しみ方過ごし方の一端を体験できた。

また、もう一つ同社がこだわるのは「日本発着サービス拡大への挑戦」で、日本人クルーの増加、船室内のテレビの日本語プログラムの充実、日本茶の用意、日本語船内新聞の配布、朝食時の和定食の提供など初めて外国船に乗る人や今まで日本船に乗っていた人への対応に配慮をしている。

加えて今回オープンする日本式大浴場や寿司レストランは、日本人になじみやすい一方、外国人客にも日本文化を体験できる場としての魅力もある。クルーズの魅了として多地域、多国籍、多世代間交流が図れるという側面にも焦点を当てており、特にゴールデンウィーク近辺の日本一周クルーズは、外国人客多くそうした交流が図られるという。

▼ 2015年日本発着就航3シーズン目の目標は5万人

日本市場にあわせた4日間のショートクルーズも

泉の湯に併設されたオーシャンビューのサウナ

日本発着クルーズ3シーズン目となる2015年は、サン・プリンセスが定番人気のオーストラリア発着クルーズを行うため、日本発着から離れる。2隻体制からダイヤモンド・プリンセスが1隻体制となり、東京(横浜)と神戸をホームポートとする日本発着プログラムを展開。4ヶ月にわたるサマーシーズンには20本の日本発着クルーズを行い、4日間というショートクルーズも提供する。

一方で、より深く日本を満喫できる18日間という長いクルーズも織り込み、日本・韓国・台湾・ロシアの20港以上を訪れ、シーズン全体で合計35万泊分の客室を提供する予定だ。2014年ダイヤモンド・プリンセス日本就航記念式典のなかで、前出の木島榮子氏は「2015年は、横浜・神戸を発着にして、人気の北海道からサハリン、沖縄方面、日本周遊、お祭りクルーズなど、4日間から11日間のバリエーションで展開。最短は、4日間というショートクルーズで若い層にもさらにアピールをし、年間5万人の乗客数を目標にしたい」とその意気込みを語った。

  • 文・小野アムスデン道子

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…